研究

演習林の研究活動

 演習林では、「森林」という研究フィールドを所有する強みを生かしながら、自然環境や人との関わりについての研究を推進・実行しています。研究の対象はさまざまあり、生物の生理的機能や環境適応などの個体レベルから、個体群動態や生物多様性などの群集レベル、森林資源や水資源などの流域レベルに至る幅広いスケールの自然科学研究のほか、人間社会における森林の歴史・文化・経済・政策などを研究する社会科学研究が行われています。また、森林情報のデジタル化や人工知能による森林の評価など情報処理技術を用いた新しい研究も行われており、非常に多岐にわたる研究が実施されています。

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試験地で実施される定期的な調査

 演習林では、研究対象となる自然現象や社会現象に基づき森林圏生態学研究室・森林生物機能学研究室・森林圏生態社会学研究室・森林流域管理学研究室の4つの研究室を設置し、教員や学生がそれぞれの研究テーマに沿った研究室に配属されています。

 全国に7つある地方演習林では、その地域の自然や風土、過去の土地利用の歴史などによって、それぞれが特徴のある森林を保有しており、その土地に根付いた特色ある研究が行われています。また、各地方演習林では、林内に試験地や調査区などを設置し、森林動態や水循環に関するモニタリング調査や、演習林内に生息する動植物のインベントリー調査を数十年にわたり継続的に実施するとともに、これらのデータが多くの研究者に利用されることを目指し、データペーパーやウェブサイト等で広く世界に向けて公開を進めています。

国内外の研究者による研究利用

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 演習林は東京大学だけでなく、国内外の大学・研究機関の研究者のフィールド利用も受け入れており、日本やアジアの森林研究における主要な研究拠点となっています。演習林を利用して行われる調査・研究は、森林生態系・樹木生理・物質循環・森林管理・環境教育・森林情報デジタル化など多岐にわたります。また、利用者の希望によっては林分・流域単位での大規模な実験を行うこともあります。

 演習林では、研究の基盤となる気象・水文水質・生物相・試験地などのデータを収集・データベース化し、順次公開しています。また、学術資料や調査データを掲載した「演習林」や学術研究報告集である「演習林報告」を出版し、広く情報の提供を行うとともに研究成果の公表の場を提供しています。また、さらに、利用者同士の交流を深めるための集会・発表会等も開催しています。

 各演習林の利用に際しては、各演習林が指定する利用申込書に研究内容・協力依頼事項などを記入し、提出する必要があります。また、希望する研究フィールドや試料の所在が分からない方には演習林教育・社会連携センターでご相談を承っています。詳しくは利用案内をご覧ください。

演習林の研究リスト