森林管理

演習林がミッションとして掲げる最適なフィールドを提供していく上で、森林の適切な維持・管理は欠かせません。演習林では、森林管理に関わる業務として、森林資源の把握、人工林や天然林の施業、林道や歩道の整備、病虫獣害や気象害への対策等を行っています。森林管理業務は主に技術職員が担っており、専門的な知識や技術を活かして、教育研究や社会連携の活動を支えています。演習林のビジョンである「たしかな技術で調えられる森」のもと、歴代の職員によって受け継がれてきた森林管理に関わる技術の継承・移転と、最先端の技術の習得に努めています。森林資源情報を確実に把握するため、森林現況調査を計画的に行うとともに、伐採や造林、保育、育苗等の森林施業を着実に実施しています。森林管理の支障となる病虫獣害に対しては、その早期発見に努め、万一被害が発生した場合は迅速かつ的確に対応できる体制を整えています。近年は台風や豪雨によって森林・林道等が被災するケースが増えており、速やかな災害復旧も重要な森林管理業務となっています。地方演習林では各々のニーズに応じて、デジタル化された林相図や施業計画図面、数値標高モデル(DEM)、空中写真等の空間情報を、地理情報システム(GIS)を用いて一元的に整備・管理し、日々の森林管理業務において有効に活用しています。空間情報の整備・活用に必要な機材として、無人航空機(UAV)と画像処理ソフトウェア、タブレット端末等の導入を進めています。また、森林管理に関わる基礎的・先端的技術の習得・継承・移転のため、必要な資格の取得や研修を行っています。

手動ウインチを用いた間伐作業
(樹芸研究所)
林道補強のための路肩の改修
(千葉演習林)
松枯れ予防のための薬剤の樹幹注入
(生態水文学研究所)
ひのきチップを使ったナラ枯れ予防
(富士癒しの森研究所)
タブレット端末を用いた収穫木の
データ入力(北海道演習林)
ドローン空撮による林道被災状況の把握
(秩父演習林)