教員の紹介

山田 利博

Yamada,Toshihiro

教授(秩父演習林長/森林生物機能学研究室)
専門分野:樹病学

プロフィール22yamada.jpg
1959年京都生まれ。1982年京都府立大学農学部農学科(植物病学講座)卒業。同年林業試験場(現森林総合研究所)関西支場(樹病研究室)、1992年森林総合研究所(腐朽病害研究室、樹病研究室)、2000年東京大学大学院農学生命科学研究科助教授(森林科学専攻森林植物学研究室)、2002年附属演習林田無試験地、2006年千葉演習林、2015年秩父演習林。

★現在の主要な研究テーマ
★研究業績
★学位および賞
★学会活動
★教育活動
★社会貢献
★ひとこと


★現在の主要な研究テーマ

「マツ材線虫病における発病枯死機構と抵抗性機構」
マツ材線虫病の脅威は説明するまでもありませんが、その「枯れ」の研究はどうでしょう。マツが枯れるメカニズムについてはその一端が明らかになりましたが、まだ「枯れ」の本質は見えていないと考えています。抵抗性のメカニズムについてはまだまだこれからです。抵抗性機構の解明と育種への応用を目指しています。

「材変色腐朽に対する防御機構と樹木の取扱技術」
傷や菌によって起こる樹木木部の変色・腐朽被害は、木材を生産する林業にとっても都市環境で樹木の健康を維持する上でも大きな問題です。木が傷や菌の侵入にどのように対応しているのかを、スギの材変色をモデルとして研究してきましたが、幅を広げて色々な樹種間で比較を試みています。また、防御反応は環境ストレスや季節などの環境条件によって左右されます。そこで防御反応を有効に利用して、樹木をできるだけ健全に保つ傷口の処理や剪定の方法を探っていく研究を始めています。

「樹木の危険度(腐朽)診断の高度化」
街路樹、公園樹の倒木、落枝を防止するために腐朽診断が実施されていますが、精度や信頼性には不十分な点があります。そこでγ線、音響波、打音の共振を用いた診断手法の特性を明らかにすること、複数の手法を組み合わせることで精度の高い診断を実現することを目指しています。都市の緑を守る仕事をしたい人は今すぐコンタクトを。

「ブナ科樹木萎凋病(ナラ枯れ)における萎凋機構と防御機構」
日本海側を中心に蔓延が続いているブナ科樹木萎凋病、いわゆるナラ枯れは病原菌が明らかになりましたが、なぜ現在の流行が収まらないのかは依然として不明です。どのようにして木が枯れていくのか、木がどのように菌に抵抗しているのかを感受性の異なる樹種、被害の起こる条件から調べていくことが、このことを明らかにし、これからナラ・カシ林を管理していく上で重要です。その答えを宿主樹木の特性の中から探しています。

★研究業績
研究業績データベース

★学位および賞
博士(農学) 「菌の侵入に対するスギ生立木の辺材の反応に関する研究-特に反応障壁の形成について-」 1996年
日本林学会賞、2000年、同上
日本木材学会論文賞、2009年 

★学会活動
日本森林学会、日本植物病理学会、日本菌学会、樹木医学会、日本線虫学会

★教育活動
●農学部
「森林生態圏管理学」
●大学院
「森林生物機能学」、「森林遺伝子機能開発学」

★社会貢献
●各種委員
樹木医研修講師
埼玉県特定鳥獣害管理検討委員等

★ひとこと
樹木病害における宿主と病原との相互作用を樹木の反応という視点からみるとともに、それと病原体の生態との関わりについて一貫して関心を持ち続けてきました。これからも、樹木医学の基礎となる樹木の応答についての研究を進めていきたいと考えています。まず木をみることが大事というスタンスをとっています。ただし、常に生態学、組織学、生理学、化学といった幅広い視点から捉えることを心がけています。無数の微生物に取り囲まれた樹木が、その中でどのように生きているのかということは、実はほとんど分かっていません。テーマの宝庫と言えます。あとは、意欲と粘りさえあれば世界トップレベルの成果を保証します。この分野にチャレンジしたいという学生は是非一緒に研究しましょう。演習林は多数の苗木を育成するとともに、遺伝資源の集積場所としての整備も進められていますので、こうした研究にはぴったりの場所です。