鎌田 直人
Naoto KAMATA
教授(千葉演習林長/森林圏生態学研究室)
専門分野:森林昆虫学、昆虫生態学、個体群生態学、群集生態学
プロフィール
山梨県甲府市出身、1962年生まれ。1984年、東京大学農学部林学科卒業(森林動物学専攻)。卒業論文は、ゴール(虫こぶ)をつくる昆虫「エゾマツカサアブラムシの生態」。修士課程1年まで、北海道でこの研究を続けた。1985年東京大学大学院農学系研究科修士課程林学専攻中退。1985年農林水産省林業試験場、5月より同東北支場(盛岡市)研究員。1988年組織改編により森林総合研究所東北支所に改変。東北支所では、ブナ林の昆虫、とくにブナ林で約10年おきに大発生する葉食性の蛾ブナアオシャチホコの個体群動態について、生物間相互作用、環境要因との関係から研究を行った。8-11年の周期で起こる大発生が、周期的な密度変動によって引き起こされること、サナギタケという冬虫夏草の昆虫病原菌が周期変動を引き起こす要因であることを明らかにした。「ブナアオシャチホコの個体群動態」のテーマで1995年に博士(農学)(東京大学)の学位取得。また、ブナの豊凶現象に関係する種子食性昆虫の生態についても、捕食者飽食仮説の観点からいくつかの新知見を明らかにした。1995年より渓流魚であるイワナと森林昆虫の相互作用について研究を始めた。1997年12月より金沢大学理学部生物学科助教授。金沢大学では、世界遺産白神山地におけるイワナの個体群動態に関する研究、ナラ枯損を引き起こすカシノナガキクイムシの個体群動態について研究に精力を費やした。その間、アメリカ合衆国農務省、マサチューセッツ大学、CABIといくつかの国際共同研究を行う。2003年には石川県の兼六園で夫婦松、乙葉松が枯れ、緊急対策委員として、兼六園のマツの保護戦略策定に関わった。2003年からは、用水路周辺の環境として、ホタルの生態と保全に関する研究も行った。2006年4月より、東京大学演習林研究部、同年9月より田無試験地主任を併任。2008年4月より秩父演習林長、2015年4月より北海道演習林長、2021年4月より千葉演習林長。
★現在の主要な研究テーマ
★研究業績
★学位及び賞等
★学会活動
★教育活動
★社会貢献
★ひとこと
★現在の主要な研究テーマ
「カシノナガキクイムシの生態」
「キクイムシの群集構造の地理変異」
「ブナアオシャチホコと生物間相互作用」
★研究業績
researchmap
★学位及び賞等
東京大学博士(農学)「ブナアオシャチホコの個体群動態」
日経サイエンス創刊30周年記念論文 佳作(2席)2001年
日本生態学会宮地賞 2002年
日本林学会賞・土井林学賞・日本林業技術協会 2004年
★学会活動
日本森林学会、個体群生態学会、日本昆虫学会、応用動物昆虫学会
★教育活動
●農学部
「森林生態圏管理学」
●大学院
「森林圏生態学」「森林圏生物動態学」「Forest Insect Ecology」
●他大学非常勤講師
宇津宮大学農学部 「森林病虫害論(虫害)(隔年)」
★社会貢献
●講演
神奈川県自然環境センター研究推進支援研修会講演「ブナアオシャチホコの個体群動態と丹沢山地における大発生」
石川県能美市根上山(通称)松林保全活動「マツ枯れと防除」
金沢ボランティア大学校「地球環境を考える」
●各種委員
石川県兼六園マツ等樹木保全対策指導者
千葉県森林審議会委員
★ひとこと
こんな学生に来て欲しい:動物や昆虫の個体群動態と生態系の関わりについて、森林保護・生態系の保全などの観点から研究したい学生。とくに博士課程の受験にあたっては、明確な目的意識をもって、研究に意欲的に取り組む学生。