齋藤 暖生

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Haruo SAITO

講師(樹芸研究所長/森林圏生態社会学研究室)
専門分野:森林と文化、自然アクセス制の国際比較と制度的背景、森林をめぐる現代的協働関係の構築

プロフィール
1978年岩手県出身。岩手県立盛岡第一高等学校を卒業し、京都大学農学部生産環境科学科、京都大学大学院農学研究科森林科学専攻と進学し、2006年3月に学位(農学博士)を取得しました。2006年4月より大学共同利用機関人間文化研究機構総合地球環境学研究所・プロジェクト研究員を務め、2007年12月より秩父演習林、2008年10月に富士演習林(2011年より富士癒しの森研究所)に着任、2020年4月より2023年3月まで富士癒しの森研究所長、2023年4月より樹芸研究所長として今に至ります。
学生時代から継続している研究対象は「山菜・きのこ採り」。子供時代の経験を手掛かりに「山の豊かさ」を考えてみようと思ったのがこの研究テーマを選んだきっかけです。関連する研究として入会やコモンズの研究、最近では自然資源へのアクセス性に関する研究、森林をめぐる文化に関する研究に取り組んでいます。
前任地の富士癒しの森研究所では「地域内における循環的な森林利用を軸とした「癒しの森」づくり(癒しの森プロジェクト)」に取り組みました。これは、実際の地域社会において、住民が森の恩恵を受け、同時に森が適切に整備されるような社会的な仕組みの実現を目指した研究で、イベント等を通じて住民たちに働きかけるアプローチ(アクション・リサーチ)をとったり、地域社会をデザインするアプローチを取り入れたりしています。このように、研究所の研究では、森と人の関係性を再構築するための実践的な研究をするために、新しい手法を柔軟に取り入れようとしています。富士癒しの森研究所での取り組みについては、以下も参照ください。
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/t_z0508_00065.html
https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/G_00085.html
趣味は貧乏くさいこと全般です。なんといっても「工夫すること」が楽しいんですね。研究もそうありたい、そう心がけています。

★現在の主要な研究テーマ
★研究業績
★学位及び賞等
★学会活動
★教育活動
★社会貢献
★ひとこと


★現在の主要な研究テーマ
「森林における文化の意義とその保全策」
「自然アクセス制の国際比較と制度的背景」
「森林をめぐる現代的協働関係の構築」

★研究業績
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    ★学位及び賞等
    京都大学博士(農学) 「自給的およびレクリエーション的な山菜・きのこ採りに関する研究-採取資源の性格と生態的背景-」2006年
    財団法人林学会 第五十一回林業科学技術振興賞(研究奨励賞)2013年
    第17回林業経済学会奨励賞 2019年

    ★学会活動
    日本森林学会、林業経済学会、日本菌学会、日本地理学会、生き物文化誌学会、日本森林保健学会、コモンズ研究会(世話人)、民族自然誌研究会、中日本入会林野研究会、東日本入会山村研究会、International Association for the Study of the Commons

    ★教育活動
    ●教養学部
    全学体験ゼミ「森のフィールドワーク入門」「東大の別荘『癒しの森』で体も心もリフレッシュ」「伊豆に学ぶ自然の恵みを活かす技(夏)」「同(冬)」 総合科目「森林環境資源学(フィールドワーク:森と癒し)」
    ●農学部
    「森林生態圏管理学」「森林科学基礎実習(Ⅳ)」「森林政策学演習」「森林実習」
    ●大学院
    「国際森林学特論」


    ★社会貢献
    やまなし木質バイオマス協議会顧問
    山梨県美しい県土づくり推進協議会
    一般社団法人山中湖エコミュージアム推進事業団顧問
    粟井英朗環境財団公募助成事業審査委員

    ★ひとこと
    森林と人間の関係を考えることは、森林との「つきあい方」を考えることです。日本では、すぐそばに森林があるのに、「ご近所づきあい」が乏しい状況が長く続いてきました。この状況をどう考えるか、将来に向けて何をしたらいいのか、一緒に研究してみませんか。