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千葉演習林が森林吸収CO2の認証を国内大学として初めて取得

2011年4月12日,千葉演習林が国内大学として初めて森林におけるCO2吸収量の認証を取得しました。認証されたCO2は約500トンで,千葉演習林で2007-2009年度に間伐された約25ヘクタールのスギ・ヒノキ人工林が吸収したものです。この事業は,2008年度より全学的に取り組んでいる,東京大学サステイナブルキャンパスプロジェクト(TSCP)の一環として行われ,取得したCO2は,TSCPが最優先課題としている低炭素キャンパスの実現(CO2排出総量削減の自主目標-TSCP2012)に活用される予定です。

認証は環境省が主導するJ-VER(Verified Emission Reduction:排出削減認証)制度を通じて行われました。国内で森林吸収CO2を認証する制度には,自治体が主導するもの,民間団体が主導するもの等,複数ありますが,J-VER制度は国が主導する唯一の制度として,最も信頼性の高いものです。信頼性の高い制度ゆえ,認証を取得するには,多くの申請書類や証拠資料を提出して,外部機関の審査を受ける必要があり,それらに相応した手間と費用がかかります。以下に,認証取得の過程を簡単に紹介します。

J-VER制度における認証の流れは,①事業の計画-②事業実施前の妥当性審査-③事業の実施-④事業結果のモニタリング-⑤モニタリング結果の認証,となっています。

①では,千葉演習林における2007-2012年度の間伐作業を想定して,J-VER制度が認証の対象とする事業種類の中から「森林経営活動によるCO2吸収量の増大(間伐促進型プロジェクト)」を選択しました。間伐作業は20-40年のスギ・ヒノキ人工林を対象として6年間で約60ヘクタール行う内容です。そして事業の代表は東京大学,実施者は千葉演習林という体制で,事業名を「東京大学千葉演習林間伐推進プロジェクト-東京大学サステイナブルキャンパスプロジェクト」としました。②では,審査を行う外部機関と契約を交わし,所定の事業申請書類を作成し,提出しました。申請書類は,事業とモニタリングの内容を記した計画書,間伐対象地の図面や写真など多岐にわたります。2010年8月に審査が始まり,審査員により書類の確認と現地の視察が行われました。審査の過程で請書類の加筆・修正がなされ,2010年11月に妥当性審査を終えました。③では,2009年度までに間伐が終了した森林を取り上げ,④でそれら森林におよそ20m四方の調査プロットを設置し,各プロット内のすべての樹木について番号の付与,直径の測定,一部樹木について樹高の測定を行いました。そして樹高の測定結果から土地の生産力を求め,生産力に応じた森林の成長量を予測し,所定の換算係数を乗ずることにより,事業の開始からモニタリング実施前までに,間伐した森林が吸収したCO2の量,約500トンを計算しました。⑤では,再度,検証を行う外部機関と契約を交わし,モニタリング結果を報告書にまとめ,提出しました。2010年12月に検証が始まり,審査員により証拠資料と調査プロットの検証が行われ,資料の追加やプロットの再設置を経て,標記のとおり,2011年4月12日に検証を終え,国内大学として初めて,J-VER制度において森林吸収CO2の認証を取得しました。

2011年度以降には,北海道演習林,秩父演習林,愛知演習林,樹芸研究所でも同様にJ-VER制度の認証を取得する予定です。さらに千葉演習林でも2010年以降の間伐森林について,再度CO2の認証を取得する予定です。

j-ver.jpg
現地審査では,審査員の指示に従って調査プロットの樹木が測定され,モニタリング結果が検証されました。

補足

J-VER制度の詳細は以下のHP参照(http://www.4cj.org/jver/index.html)。
「東京大学千葉演習林間伐推進プロジェクト-東京大学サステイナブルキャンパスプロジェクト」はプロジェクト登録番号0045,クレジット認証番号0045001になります。