【研究紹介】資源回復に向けたエゾマツ苗木生産の新たな取り組み
後藤 晋(森林圏生態学研究室/教育研究センター 准教授) |
研究内容 |
エゾマツは「北海道の木」に指定され、北海道のシンボルとして長らく人びとに親しまれてきました。しかし、同じく北海道の針広混交林を代表するトドマツやアカエゾマツとは異なり、その資源量は1950年代から減少し続け、当時の半分程度に落ち込んでいます。減少してきた理由の一つは、過伐や台風被害などの影響で資源が減少しているにもかかわらず、エゾマツの苗木が事業的なレベルで生産されてこなかったことが挙げられます。そこで、平成22~25年に「北海道固有の森林資源再生を目指したエゾマツの早出し健全苗生産システムの確立」というプロジェクトを実施し、エゾマツの資源回復に向けた新たな試みとして、1.播種床での幼苗生産、2.コンテナ苗の生産、3.コンテナ苗の植栽に関わる様々な試験研究を行いました。 1.播種床における幼苗生産 2.コンテナ苗の生産 3.コンテナ苗の植栽 以上の成果を「エゾマツ早出し健全苗育成のための手引き」として冊子にまとめました(写真4)。この手引きのPDFは、東京大学リポジトリ<http://hdl.handle.net/2261/55679>からダウンロードできます。また、北海道の林木育種56巻2号は本プロジェクトの特集号となっており(写真‐5)、13篇の論文が掲載されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。 |
図表 |
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発表文献 |
「エゾマツ早出し健全苗」プロジェクトグループ(編)(2014)エゾマツ早出し健全苗育成のための手引き.29pp.<http://hdl.handle.net/2261/55679> 北海道林木育種協会発行(2013)「エゾマツ早出し健全苗プロジェクト」特集号.北海道の林木育種56(2):1-38. |