熊木順生さんが最優秀卒業論文賞を受賞

演習林学部4年生の熊木順生さん(森林生物科学専修)が、卒業論文「シカによる森林の植生衰退が土壌動物群集に与える影響」によって、森林生物科学専修・森林環境資源科学専修の令和6年度最優秀卒業論文賞を受賞しました。

熊木さんは、ニホンジカが高密度に生息している秩父演習林において、標高に沿って設置された多地点のシカ柵内外で土壌動物群集を比較し、シカによって土壌動物の生息場所の質や餌資源となるリター量が低下した結果、土壌動物の多様性と個体数が減少していることを明らかにしました。土壌動物は有機物分解や土壌生成を通じて森林の生産性に不可欠な役割を果たしていますが、シカが土壌動物に及ぼす影響についてはまだ解明されていないことが多くあります。熊木さんの研究による知見は、シカが土壌動物群集の変化を通じて土壌機能の変化をもたらすことを示唆しており、今後シカ食害を受けた森林の管理や保全に取り組むために、土壌動物を指標として活用することにつながると期待されます。
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表彰状と学位記を手にした熊木順生さん