【教育紹介】野外活動における学生の安全を守る

※本記事は2025年5月10日発行のニュースレターmorikara5号に掲載されています

実習等の野外教育プログラムや野外調査のために、多くの学生が演習林を訪れます。地方演習林の多様なフィールドは、教育・研究の場として魅力を持つ一方で、森林内での活動には様々な危険が伴います。そのため、事故災害を未然に防止し、学生の皆さんにいかに安全かつ安心して演習林で教育を受けてもらうかは、各地方演習林にとって最も重大な関心事です。

森林内では落枝・落石・転倒・転落の危険があるため、ヘルメットの着用を徹底しています(写真)。また、山の中では道迷いや遭難の危険があるうえ、携帯電話が通じないところも多いため、トランシーバーの貸し出しや衛星通信の利用など、連絡手段の確保について工夫をしています。近年では、熱中症対策も必須です。ウォータークーラー、経口補水液のほか、炎天下での作業時にパラソルを準備しているところもあります。代表的な危険生物であるハチに対しては、教職員が事前に実習場所のハチの巣の有無を確認します。ただし、すべてのハチの巣を把握することは困難なため、刺された際に応急処置ができるよう、同行する教職員がポイズンリムーバーや抗ヒスタミン軟膏等を携帯しています。地域特有の危険生物対策として、秩父演習林ではクマ避け鈴・クマ撃退スプレーを、千葉演習林では吸血生物ヤマビルの忌避剤を希望者に貸し出しています。近年、複数の地方演習林で被害が見られるようになったマダニに対しても注意喚起をしています。

こうしたさまざまな装備面での対策に加えて、実習や調査の前に演習林教職員と実習担当教員・指導教員とが綿密な打合せを行うことが肝要です。実習の場合、現地を下見して、危険な場所の有無や必要な安全対策を確認しておきます。実習当日には、開始前や合間に参加学生の体調を確認することや、作業前に刃物などの道具の使い方や山道での安全な歩き方をレクチャーすることで事故災害の防止に努めています。

急傾斜地で植林実習をする学生たち