総合科目D(人間・環境)

科目名(英語名):森林環境資源学(Forest Environmental and Resource Science)

開講年度・学期:1、2年次・夏学期

対象学生:教養学部

単位:2単位

学修目標:世界の森林が危機的な状況にあり、植林によって環境問題に貢献していることをアピールする企業のCMがTVや新聞に頻繁に流されている。その一方で、日本の国土の68.5%は森林に覆われている。日本は世界有数の森林大国であり、森林は日本最大の「地主」である。さて、皆さんは、このような広大な面積をもつ森林の実態を、どれだけ知っているだろうか。  高校までの生物や地理で、生き物としての樹木や森林に生息する動物、世界の森林の分布などを勉強した人は多いだろう。しかし森林の全体像を知るためには、森林内で何が起きているかを知る自然科学や、森林を取り扱うための技術といった「理系的アプローチ」だけでなく、森林の歴史、経済・経営、法制度、行政・財政といった「森林と人とのかかわり」=「文系的アプローチ」の両方をあわせて学ぶことが不可欠である。その意味で、森林は、東京大学前期課程の総合科目で学ぶ対象として最もふさわしい対象の一つである。  森林を学ぶための場として、東京大学は、北海道、東京、千葉、埼玉、山梨、静岡、愛知の7都道県に、山手線の内側の面積の5倍以上の面積の森林を演習林として保有しており、その面積は、東京大学の全キャンパス面積の99%を占めている。  本講義は、東京大学を卒業して社会で活躍する皆さんが教養として知っておくべき「森林の基礎の基礎」についてのオンライン講義と、千葉県および山梨県に位置する演習林で開講する日帰りのフィールドワーク(現地講義)をあわせて行うことで、森林を机上での学習と実体験により総合的に理解することを目的として開講する。フィールドワークでは、現場に常駐して教育研究を行っている教員の指導のもと、森林の現物に触れる。

授業の方法・内容:オンライン講義と日帰りのフィールドワークを行う。

担当教員:演習林一部教員