サントリーとの研究助成・森林整備に関する協定

サントリーとの研究・整備協定

秩父演習林では、サントリーホールディングス株式会社と研究助成および森林整備に関する協定を締結いたしました。
(研究協定 秩父演習林の全域5,812ha、森林整備協定 同演習林栃本地区の一部2,502ha)

両者は、対象地区を水源涵養林としての高い機能を持った森林、生物多様性に富んだ森林、洪水・土砂災害等に強い森林、CO2吸収能力の高い森林、豊かな自然と触れ合える森林に誘導することを目標に活動を実施します。

具体的には、奥地にあり手入れの行き届かない造林地と原生林へのアクセス開設、不成績造林地の天然林への誘導、植生回復、シカの移動、植生と水文・水質の関係、樹木の機能特性、材の搬出および活用、森林整備体験・環境教育等の研究および森林整備活動を展開していく予定です。

サントリー天然水の森「東京大学 秩父演習林プロジェクト」

これまでのプロジェクトの具体的成果・進行状況

演習林内の道(作業道・補助路)の整備

演習林内の道(作業道・補助路)の整備

森林の研究および管理活動に役立てるため、
栃本地区内に約5kmの作業道・補助路を整備しています。

四万十式(右図緑線)と大橋式(赤線)の異なる工法による道づくりを行っており、作業道に関する研究にも活用しています。

航空機レーザーによる測量

航空機レーザーによる測量

森林整備の基礎資料とするために、航空機を用いたレーザー測量によって詳細な地形解析を行いました。

右図は、航空機レーザー測量によって得られた数値標高モデル(DEM)を用いて微地形解析を行ったものです。青が凹地形、赤が凸地形を表します。

GPSによるシカの行動調査

GPSによるシカの行動調査 毎年6頭のシカにGPSをつけて、その行動を調査しています。
その結果をもとに、シカの分布や利用様式を把握し、将来の個体数管理の方法を検討します。

シカ排除柵によるシカ食害が生態系プロセスに与える影響の調査

シカ排除柵によるシカ食害が生態系プロセスに与える影響の調査 演習林内の2つの流域(入川、滝川)の広範囲(標高900-1800m)にわたって30×30mのシカ排除柵を30基設置しています。
この柵内と柵外において、植物および動物、土壌特性、その他項目をモニタリングし、シカ食害が生態系プロセスに与える影響と環境との関係を明らかにしていきます。

渓流水の水質調査

渓流水の水質調査 シカの菜食による植生衰退、森林管理の変化、その他環境変動によって、渓流水の水質がどのように変化するかをモニタリングしています。

研究助成

本協定に基づき、サントリーから秩父演習林への研究寄附金から研究助成1件50万円程度の研究課題を毎年5件程度公募いたします(代表者は東京大学の教職員)。詳しくはこちら>>

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