(MS05)
香坂 玲
東京大学 大学院農学生命科学研究科 森林科学専攻
ネイチャーポジティブの議論が深化する中で、自然資本をいかに測定し、評価し、社会実装へと結び付けるかが国際的な重要課題となっている。生物多様性条約(CBD)に加え、IPBES、自然関連財務情報開示(TNFD)、生物多様性クレジットなど、複数の国際的枠組みにおいて、指標や標準化をめぐる議論が展開されているが、それぞれ目的や前提、科学的厳密性、実務への適用可能性は異なる。本講演では、こうした枠組みを横断し、指標・標準化が自然資本の評価とガバナンスにおいて果たす役割を整理する。特に森林・土地利用分野に着目し、生態系の状態や変化の把握、複雑な生態学的情報の可視化、政策・企業・金融における意思決定との接続という観点から、指標設計に内在する課題を検討する。さらに、日本におけるネイチャーポジティブの取組を国際動向と整合させる上で求められる測定・評価・標準化の方向性について示唆を提示する。
© 2026 第二回アジア生物多様性クレジットアライアンス国際シンポジウム