2005年 石田 健 主催 (私設) 野生実習 (改名しました) 2005年夏の実習は無事終了ました。 <2005年8月19日改訂>

今年の参加予定者は、3人でした。

実 施 日:2005年8月11日〜14日の3泊4日

開催場所:埼玉県秩父市大滝、東京大学秩父演習林とその周辺

実習内容:★★ 開花したスズタケの開花状況の調査、種子・開花個体・全体の生存率や生存個体分布、シカによる被食率、被食部位、被食範囲の調査、自然観察と森林景観の考察など。

★ 霞網設置体験、ツキノワグマの捕獲トラップ見学、けもの道探索、自動撮影カメラの設置体験および獣毛トラップの見学、ミズナラの結実研究の調査、調査用具の点検、安全講習

★生物多様性と生物の進化、森林保全と野生生物問題、私たちの生活 などについて、全期間、全場面を通じて全員で議論をした(やや不満足?)

  予定していた内、早朝の鳥類標識調査は雨模様だったことと雁坂峠へ行ったのでほとんどできませんでした。同じく、集中開花範囲の簡易測量は、思いの外範囲が広く時間切れでできませんでした。

  ※事前に一読をお奨めする書籍:S. レビン「持続不可能性」または、S. Levin "Fragile dominion" ・・・・全員購読、議論のほうはいまいち

  ※著者の2005年京都賞受賞記念の割引販売を、出版社がしています。参加予定者で購入希望の方には、石田がまとめて購入したものを送料負担なしの2100円でお譲りします。

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行動 経過

8月11日 8時過ぎ、西武秩父線横瀬駅集合、秩父演習林日野田事務所に寄り、秩父地方の地図で行動予定を確認。食材等買いだし後、秩父演習林川又自炊宿舎へ。早めの昼食をとって準備終了後、入川林道終点付近、山地帯天然林長期生態系プロットの見学(森林鉄塔・・・第2鉄塔に登りました。)。ミズナラ実生トランセクト、ギャップの考察、結実動態観測プロットを横断して森林景観の観察、ミズナラ樹洞等の見学。帰り際に、木から発酵蜂蜜を吊るし、自動撮影カメラを設置。寄宿後、プレゼンテーション、議論。

8月12日 早朝、雨。鳥屋尾根歩道周辺で霞網を使った野鳥の捕獲・計測・標識調査はキャンセル。危惧庫屋根下で朝食後、鳥屋尾根標高1200m付近のシカの影響のほとんどない地点と1270m付近のスズタケ開花パッチ周辺で、1mx1mプロットでの植生調査。無影響区では、全稈刈り取り。稈密度、稈群落高、シカによる被食強度等の計測。パッチ周囲は思いの外広く、時間切れで簡易測量。魚眼レンズによる天空写真撮影も雨天のため後日に延期。寄宿後、刈り取ったスズタケの稈と葉を分けて、生重測定。送風乾燥機に入れて、乾燥開始。夕食後、入川林道夜間センサス・・・ノウサギ5頭、シカ。寄宿後、調査結果のまとめと明日の調査方針を議論。

8月13日 早朝、滝川流域滑沢(なめさわ)周辺で霞網を使った野鳥の捕獲調査。残念ながら、コゲラは寄ってきませんでした。ここでも、スズタケが開花していました。シカの食圧が高い場所があり、1プロット調査.

バケモノ沢モノレールを利用して、途中森林景観観察と標高1470m付近でスズタケ調査、2プロット。標高1600m付近まで行き、突出峠周辺でスズタケの植生調査。シカによる被食強度等の計測。標高1800mまで植生等観察し、樺小屋避難小屋泊。

写真:シカ食圧の低いスズタケ群落の地上地上1m稈上上空の全天写真(こんな風です)。

8月14日 快晴。せっかくなので、雁坂峠まで遠足することにしました。地蔵岩にて森林景観の観察、記念写真。鳥類・キノコ(多い)・昆虫等観察しながら、雁坂峠へ。記念写真。小屋に戻ったのがお昼でした。記念写真モノレールでバケモノ沢に戻る。自動撮影カメラ回収、残念ながら動物は来なかった。途中林道で、仔鹿に遭う。川又自炊宿舎を片づけて、17時すぎ、横瀬駅解散。

参加費用:横瀬駅(西武秩父線)までの往復交通費、演習林施設使用料と食材費(自炊宿舎・避難小屋使用、2500円集めました。)、傷害保険料(個人で加入しておられる方は不要)など。

写真:

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服装・個人装備: 早朝、実習地は比較的涼しいので、防寒着を用意する。雨具(ゴアテックス製が好ましい)、傘、トレッキングシューズまたは軽登山靴またはケプラー入りなどしっかりした素材の長靴、持っていればスパッツ、園芸等用皮手袋、帽子(場所により実習用ヘルメットを演習林で借りて着用する)、長袖シャツ、長ズボン。

        寝袋、ペンライト、持っているならばヘッドライト。リュックザック(大きめのデイパック以上、30Lていど)。

        好みに合わせて、カメラ、双眼鏡、図鑑類、録音機 など。

共同装備: 携帯コンロ、コッヘル。

募集人数(2005年夏は終了):3〜4人、希望者が4人を越えた場合には、下記、自薦文を参考にし、必要ならば面談やメールでの質疑の上、4人までの参加者を決定します。応募して参加していただける方が1人の場合も、別の参加者を加えて実施する場合があります。

想定している実習生像:大学の学部1年生〜4年生、修士課程1〜2年生。心身ともに健全で闊達な、方。所属する学科や専門は問いません。生物学や野生動物に直接関係のない課程に在籍しておられる方も歓迎します。

来年以降も、秩父、場合によっては奄美大島、山原(沖縄島北部)等で実習を実施したいと考えております。(未定です)

応募最低条件:山の中、それも、歩道などもない急傾斜地も少しは歩いたり、参加者全員でよく議論をすることを、あるていどこなせる自信があること。体力については、大きな駅の階段の上り下りがおっくうでないくらいであれば、とりあえず、申し込んでみてください。

応募方法:メールで・・・お名前、所属、連絡先(郵便番号、所番地、電話番号、メールアドレス)、参加希望の動機(日本語700文字〜800文字または英語300〜400wordsで、自薦文として作文)、を石田までお送りください。

参加応募〆切:7月15 日(この日までに3名の参加希望がありましたので、締め切りました。)

(連絡をいただいた方には、必ず確認のお返事をメール等で差し上げますので、10日ていど経っても石田から返事がない場合には、再度、お問い合わせください。)

★この実習について、興味のある若者は気楽にメールでお問い合わせください。

2006年も実施予定です。秩父のほか、奄美大島 等 における実習の可能性も検討しています。

2004年の実習は、10月17〜19日に秩父演習林で実施しました。