2004年10月12日作成/ 10月31日更新
第1回 2004年夏~秋季 野生動物特別実習(石田 健・私設)
日程 2004年10月17日(日曜日)~19日(火曜日)
場所 東京大学秩父演習林
参加予定メンバー:石田(K)、東京大学修士2年女(Fさん)、修士1年男1人(H君)、学部3年女1人(Iさん)、計4名
宿泊予定:男二人 > 川又自炊宿舎、女二人 > 川又学生宿舎1階
行動予定表:
【1日目】10月17日
8時15分:西武秩父線横瀬駅、集合
(7時22分飯能発秩父行き、8時7分横瀬着、特急ちちぶ5号、8時9分横瀬着)
秩父市内で買い出し(足し)後、川又宿舎へ。身支度後、入川林道
今日のテーマ: ツキノワグマの生態調査、現場の見学 と 野生動物生活痕の観察
見る、いじってみる予定のもの:クマ捕獲ドラムカントラップ・ヘアトラップ・自動撮影カメラ・首輪発信器・VHF受信機と八木アンテナ・麻酔用吹き矢・クマ標識・計測道具等 >>> 石田のクマの研究のページ参照
観察するもの:糞、足跡、食痕、熊棚、その他の野生動物の生活痕跡
場所:入川林道周辺、入山モノレールとその周辺
時間割:16時ごろ、帰宿 夕ご飯自炊、休憩後、入川林道を夜間自動車センサス。帰宿後ツキノワグマの保護管理、生態、生物多様性とは、その保全とは、生態系サービス、などについて、話し合う。プロジェクターで石田の各種調査結果、講義・講演資料などを参照する。
18日の、植生&クマ痕跡センサスの方法を確認。
★★ 1・2日目主行動区域マップ jpeg,244KB★★
★今日のスナップ・・・クマ捕獲トラップ・クマの爪痕(ミズナラ)・ヘアトラップとクマの毛・
【2日目】10月18日
今日のテーマ:ツキノワグマの利用環境を評価する、鳥類の捕獲調査法
やる予定のこと:小鳥のバンディング調査、クマの生活痕跡と生息環境のセンサス
場所:29林班、矢竹第2作業道、27~29林班歩道・林道
時間割:5時半ごろ起床、矢竹第2作業道(29林班付近)で霞網を設置、ウグイス・コゲラの声をスピーカーで流し、捕獲、標識、計測作業
朝食後、29林班、28林班、27林班歩道および入川林道を徒歩で一周しながら、ツキノワグマの生活痕跡と植生をラインまたはベルトトランセクト調査する。方法、準備するものなどは、Fさんが中心になって計画する。
★★ センサスマニュアル(Fさん原案) ★★
16時ごろ、帰宿 川又学生宿舎で林政学実習参加者といっしょに夕食、資料をみながら話し合い。
★今日のスナップ・・・28林班二次林択伐地から望む・長期プロット第3森林鉄塔上で・ミズナラ大木 で ・熊棚・シカの新しい死体・
【3日目】10月19日 朝から雨でした・・・
今日のテーマ:地形・立地と植生、野生動物の生息環境としての森林
やる予定のこと:少し高いところも歩く、標高や地形の違いで森林植生がどのように異なるのか、そこにどのような動物がいるか興味を持つ
場所:バケモノ沢モノレール、18~19林班、尾根上
時間割:7時ごろ起床、宿舎周辺でバードウォッチング、8時 川又学生宿舎で朝食
国道140号線沿い、わさび沢へ(標高約1080m)。18林班、バケモノ沢モノレールで突出峠へ(1650m)。モノレール周辺と、ダルマ坂(1970m)~雷大神(1450m)間を往復踏査。熊棚、シカの皮剥など生活痕跡を観察。ミズナラの結実動態について考察、ドングリトラップに見学。
15時ごろ、踏査終了し、ワサビ沢展示室見学後、鳥の標識・計測道具を見る。西武秩父駅に帰着 18時ごろ解散予定。
※緑字は、追加行事、赤字はできなかったこと、行けなかったところ
★今日のスナップ・・・原生林をモノレールで下る・
準備
服装等:早朝は摂氏5~6度ぐらいまで低下します。歩くとすぐ暖かくなります。
調査用具:地図、筆記用具、調査用紙、
気をつけるべきこと:スズメバチ(それほどめだたないがまだ大きな巣が残っている)、ツキノワグマ(基本的に安全な動物)、
連絡先:
日野田事務所電話 0494-22-0272
栃本作業所電話 0494-55-0355
川又宿舎電話 0494-55-0830
利用受付担当:澤田さん
参考図書・文献:
1. サイモン・レヴィン著 持続不可能性 文一総合出版
(Simon A. Levin. 1999. Fragile Dominion, Complexity and the Commons. Perseus Publishing, Cambridge , 250pp.)
2. Sean Nee. 2004. More than meets the eye. Nature 429 (24 June 2004): 804-805.
3. 熊谷達也. 相克の森. 集英社, 360pp. 当たらずと言えども遠からずの内容で、日本のクマをめぐる事情、活動がよくまとまって書かれている。