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研究班 3 森林環境税班
目的

2003年に高知県で初導入されて以来、多くの県で検討されてきたいわゆる「森林環境税」は、上流の森林の危機的状況に下流が費用負担する新たな応益分担の仕組みである。しかしどのような森林整備を行えば森林の公益的機能、例えば「緑のダム」機能などをどの程度、改善できるのかは科学的に明らかになっていないため、費用対効果が明らかでなく、納税者への説明責任を果たすのは困難である。一方、森林環境税は環境目的とはいえ私有財産に税金を投じる制度であるため、土地所有権や施業に対する規制である森林法の成り立ちを前提とし、租税法と財政法の両面を視野に入れて、従来の体系に環境・水源保全を組み込むという手順で研究することも必要である。このような多面的な切り口が要求される森林環境税に対して学融合的な研究を試みる。

進行状況 (以下は森林環境税研究と直接の関係はありませんが、関連する研究活動です)
 
 2004年1月31日 「緑のダム研究の現状と将来展望」シンポジウムの共催
 2004年12月 『緑のダム−森林、河川、水循環、防災』築地書館より出版
 2005年3月 水道水源林データベース、水源基金データベースの公開
 2005年6月 五名美江:水道水源保全に関する水源林の取得・管理状況について、雑誌「水利科学」に掲載(283号、1-35)
 2005年6月 第1回矢作川森の健康診断の実施
 2005年7月31日 2005年日本国際里山保全ワーキングホリデー実行委員会主催「日本国際里山保全シンポジウム2005〜産官学民協働による流域圏の森づくりを目指して」に蔵治がパネラーとして参加
 2005年10月17日 武庫川流域委員会第8回リバーミーティング特別企画(公開勉強会)−森林の保水機能(緑のダム)−にて蔵治が講演 2006年1月28日 「緑のダム研究の最前線と市民・行政・研究者の協働」シンポジウムの共催
 2006年2月4-5日 地球環境市民大学校自然保護戦略講座「もっと森林(もり)に関わろう!ミーティング」にて蔵治が「人工林の管理放棄と緑のダム機能低下−そのメカニズムと市民参加型調査・計画の可能性」と題して発表。 
 2006年2月22日 豊田市矢作川研究所シンポジウム「矢作川流域の人工林を考える」にて蔵治がコーディネータを務める。
 2006年3月 「流域圏ガバナンスの全国比較研究〜森・川・海の更なる連携の模索〜」を青の革命シリーズNo.3として刊行し、水道水源林データベース、水源基金データベースについて紹介。
 2006年4月21日 「森林認証・地域材認証と森林管理・木材利用に関するワークショップ」を共催
 2006年4月 『「森の健康診断 −100円グッズで始める市民と研究者の愉快な森林調査』築地書館より出版
 2006年6月 五名美江・蔵治光一郎:水源林取得・管理のための水源基金の設置について、雑誌「水利科学」に掲載(289号、61-88)
 2006年6月 第2回矢作川森の健康診断の実施

 現在、森林環境税データベースの作成中

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