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これまでの研究会の記録

・第2回流域委員会プロジェクト会議(2005年10月24日)の記録

 

第2回 流域委員会プロジェクト会議

日時20051024日(月)1030-12:30

内容:出席者自己紹介、流域委員会の実態評価について、今後の研究内容および研究    体制、12月2日の研究集会について

会場(独)日本学術振興会 麹町事務室 

東京都千代田区麹町5-3-1(ヤマトビル) 


  配布資料:

流域委員会調査報告
(肱川・淀川・揖保川・最上川・海老川・矢作川・鶴見川・旭川・相模川)

河川政策における「参加の制度化」とその課題(環境情報科学論文集17・2005年)

日弁連シンポ 「河川管理と住民参加」 配布チラシ

第10回研究会 「河川管理と住民参加−研究者の役割−」 配布チラシ

第9回研究会 「河川環境の整備と保全−総合的管理に向けて−」 配布チラシ


出席者

大野智彦    京都大学 地球環境学堂

金子紫延    千葉大学 自然科学研究科

蔵治光一郎  東京大学 愛知演習林

黒瀬総一郎  東京大学 新領域創成科学研究科

五名美江    東京大学 農学生命科学研究科

佐久間信弥   東京海洋大学 海洋科学技術研究科

鳥羽 妙     東京大学 愛知演習林

森岡佳大    法政大学 社会学部

(アドバイザー)

まさのあつこ  ジャーナリスト

松本充郎    高知大学 人文学部

会議の内容
流域委員会調査報告書について。(12月に向けて配布物として作成することの確認。締め切り様式などの確認。)
今回の会議は12月2日にむけた事前打ち合わせであること。
配布物の説明。

12月2日の予定
最大150人ほどが収容可能な会場で行なう。目標は100人。
これまでの準備の進行状況。講演者の方との連絡および打ち合わせ状況。
プログラムの構成:研究発表は流域委員会報告は5人発表(予定)。

各担当河川の調査結果および調査状況の説明
矢作川(蔵治)
矢作川のコンフリクトについては、矢作川河口堰は建設休止になったが、河口堰が担うはずだった治水機能に対する代替案がなく、上矢作ダム計画はまだ残っているし、明治用水頭首工に付いても解決していない。
委員会に付いては年2回しかない。基本方針案を待っているようである。
聞き取り調査・・・公募委員に聞いた。この内容は公にはできないと思う。上矢作ダムに対して各委員がどう考えているかの認識がまるっきり違うことが伺えた。もっと委員同士の活発な意見交換があるほうがよいと思う。

揖保川(五名)
河川整理計画がまとまりつつある。
聞き取り調査・・・やる予定だが、人選に困っている。委員会を傍聴することによって聞き取りをする人を決めようと思ったが,委員会では声をかけられるような雰囲気ではなかった。委員長がいいかとも思ったが人事移動のため聞き取りをしにくくなった。

相模川(まさの)
鶴見川の基本方針策定後、次に相模川が進められるはずであったが、今年になって国からの早く基本方針を作るようにという話がでてきたため動きが早くなった。
洪水確率は150年である。
行政側は、中期的整備計画を作りたいので住民の意見を聞きたいとのこと。たたき台を作ってから意見交換ではなく、たたき台を作る過程で意見交換をしたいとしている。
住民の意見を聞くと言っても急ぎたい部分がある。急ぎたい部分は優先して決めてほしいという行政の思いがあるようだ。(詳しくは長くなるのでまたの機会に)
農業用水関係は口が重い。あまっていることが表ざたになるのを避けているのか?
相模大堰円卓会議については、相模大堰が水不足の解消を目的とした建設であったが、調査の結果水があまっていると報告された。そのため、余裕を持った施設計画の必要性へと目的が変化した。

庄内川(鳥羽)
10月中に聞き取り調査をして、その結果を含めて12月までにまとめる予定。

旭川(黒瀬)
この川の特徴は用水路が多いこと。
水利権はガードが固く不明である。
基本方針・整備計画ともに未策定である。
流域委員会準備会から流域懇談会へ移行後も構成委員は変わらなかった。
懇談会は、H15年3月からH17年3月までに計5回と少ない。
旭川関連の既存委員会は5つと多く協議会も多いのが特徴である。
聞き取り調査・・・河川事務所にアポをとったら4人も出てきたため、聞き取りがしにくかった。
流域委員会設置の現状に付いて・・・人選、公募の仕方を議論している。見学会ばかり開いていて進まないなどの意見が出ている。多摩川をモデルとする予定である。
流域委員会における市民参加について・・・市民団体AR‐NETの存在(現状)について。
アドプトプログラムについて・・・NPO旭川があるが、なかなか他に拡大ができない。実態がつかめないという問題もある。
今後の予定・・・シンポへの参加や県庁訪問を予定している。
 AR-NETについてのコメント(小寺)
AR-NETは全国的に展開していきたいという考えをもっている。
役所の人間が多く、活動に制限がある。
コンサルも専門家もメンバーに入っており、ベースはいいものだと思う。今は役所との関係修復の動きがある。

海老川(増田)
海老川の場合、協議会であり委員会ではない。
工事実施基本計画がベースにある。全体計画と河川整備計画の中身をピックアップして方針にした(裏話)。まだどちらも案のままで手続き中。
海老川流域水循環再生構想に力を入れている様子。2級河川なので県が主体。
市民行政で、うまく話し合いができているのではないかという印象。
まさの:流域懇談会は土木が中心メンバー。水循環水循環再生協議会は、多彩なメンバーできちんと会議がされている。
蔵治:海老川はモデル河川になっている。海老川流域水循環再生構想はそのせいで力を入れている。虫明先生が関わっているので、ヒヤリングをしたらいいのでは? 発表のときに抑えるところを森岡さんとも打ち合わせをし、きちんと発表をすること。海老・鶴見の両方を発表するか、どちらか一方にするかなども、話し合うこと。

最上川(小寺)
4箇所の小委員会で構成されている。組織としてはいいが、内容的には不十分ではないかという印象。
設定されたものに対して、事後評価するための委員会である。
表2目次。大きく2つに分かれる。
支流のダムに関しては対象からはずされている印象。
特徴としては、国の力が強い。県内の面積が広いので山形県との連携も強い。
委員について・・・小委員会は地元の人が多い。HP当では議事録は手に入らない。意見が反映されているようには思えない。タイトなスケジュールで、とんとん拍子で進んでいそうな印象がある。まだこれから情報収集。
最上川は清流であるとされているが、実際は違う。対策や議論ができるように計画方針に盛り込まれていない。
蔵治:風間先生によると東北大で委員を分担しているとのこと。委員となる人が少なく大変。東北は市民団体がないのも特徴だし、そのために住民とのやり取りがしづらい。市民団体があっても活動が小さくコンタクトのとりようがない。ほかにも、専門性のある委員が集められないなどといったこともあげられる。

肱川(大野)
治水がもんだい。山鳥坂ダムがコンフリクトである。もともとは利水目的であった。しかし計画が隣の流域への送水であったためにもめることになった。利害調整がつかず、目的を治水に変えることで賛成になり、計画が進んだ。
委員会での資料・・・議事録は公開。発言者は不明。治水に付いての議論は2回目ぐらいから。扱いは小さい。発言数が少ない。
聞き取り調査・・・内容を吟味して(内容の公表ができるかどうか)まとめる。
漁業関係者にも聞き取りをした。地権者で反対の人もあり、進んでいない。
儀式かセレモニーのような委員会であるという意見もあった。
公開文書を吟味する必要がある。国交省は多くの人から聞いていて住民参加しているといっている。肯定的な意見が8割としているが、中身を見て本当かどうかなど判断したい。
どんな内容がどのくらいの時間で話し合われているかの分析結果・・・
時間を結構きちんととって話し合われているのがわかる。学識経験者の意見を聞く場ともされているのであるが、そうはいっても住民とのコミュにケーションはまだ少ない。

12月2日について
調査結果の発表方法
河川を5本発表などではなく、2本の対比などで発表した方がわかりやすいのではないか。
交通費の都合もあるので、発表者は後で詰める。

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©2004. Research Project on Global Governance of Water.