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分科会詳細

■ 分科会詳細情報 ■
2日目
2007年12月9日(日)

9:00−12:00

第1分科会 「人工林問題の核心」
第2分科会 「森林環境税を考える」
第3分科会 「鉱業法で蚕食される都市の緑」
第4分科会 「流域循環・現場・原体験・(博物)館」


第1分科会 「人工林問題の核心
 コーディネータ:丹羽健司

 発表者:原田裕保 (豊田市産業部森林課長) ・浜田久美子(作家)
       ・水野雅夫 (ウッズマンワークショップ代表)他
 概要
  人工林問題のキーワードは、「プロ」と「素人」。1000万ヘクタールの日本の人工林の過半が緊急間伐林とされている。一方、日本の林業労働者は約6万人、その半数は60歳以上と超高齢化が進んでいる。また60歳未満の半数以上がI ターン就業者。労災の掛け金率が最も高く危険な仕事であるにも関わらず平均年収は約250万円という劣悪な処遇。
   プロの絶対数が不足する中、プロを志した素人がプロになるために必要なことは何か、欠けていることは何か?そして誰が、どこがプロを育てるのか?林業プロの現状と本懐を、「林業 I ターン・ミーティング」などで日本の林業プロ育成に心血を注ぐ水野雅夫が吠える。
   次に、日本の山主のほとんどは「素人山主」という現実。間伐の技術はおろか境界さえ継承できていない素人山主達。彼らを「その気」にさせない限り、間伐も何も進まない。同時に数は増えるが内容が?の森林ボランティア運動。素人の山仕事、家事の山仕事を提案実践して日本各地の森林ボランティアや森林行政をつぶさに取材してきた浜田久美子が「だからこそプロ育成を」と訴える。
   94年全国初の1トン1円の豊田市水道水源保全基金創設を皮切りに、05年全国初の「森の健康診断」、06年とよた森林学校の開校、07年森づくり条例の策定、と全国の市町村の先鞭を切って次々と新たな取り組み進める愛知県豊田市。それらを終始牽引してきた森林課長原田裕保がその思いを吐露する。フロアー発言も交えて活発な論議は必至。乞うご期待

第2分科会 「森林環境税を考える
 コーディネータ:蔵治光一郎(東京大学愛知演習林)
 発表者:服部重昭 (名古屋大学・元愛知県森と緑づくりのための税制検討会議座長)
       ・藤田 香 (桃山学院大学経済学部)他

 概要
  近年、人工林、里山の放置、放棄による諸問題が広く認識され、森林環境のための税制を定めて県民に広く負担を求め、税金を森林に投入する方式が全国各地でみられる。愛知県でも検討会議が今年3月に示した報告書の中で導入の方向性が示され、パブリック・コメントが行われた。
  森林環境のための財源を人工林、里山林、都市の緑の再生にとって有効に用いるために、どのような課題と解決策がありうるのか、全国から経験豊富な実務者を招いてご講演いただくと同時に、人工林、里山林、都市の緑を巡る諸問題とその再生に向けた具体的な市民、行政、研究者の協働と「踏み出し」について議論する場を提供する。

第3分科会 「鉱業法で蚕食される都市の緑
 コーディネータ:上杉毅(紺屋田の森を歩く会)
 発表者:伊藤幸一 (亀山の自然環境を愛する会)・吉川三津子 (愛西市議会議員)他
 概要
   「裏山がなくなるそうだ」「えっ何でなの?」「粘土を掘るんじゃないかな」「イヤだわ。ここも埃っぽくなるの?」「仕方がないさ。そうしないとこの町は成り立たないんだから。市のうえの連中も認めているらしい」。こんな会話から始まり、東海地方では山がひとつずつ消えています。
  高邁な理想に貫かれた森林法と実利の鉱業法の相克。しずかに忍び寄る産廃の影。瀬戸市、日進市、亀山市、そして偽りのリサイクルなどの事例を参考に市民の悪戦苦闘ぶりを伝えます。

第4分科会 「流域循環・現場・原体験・(博物)館
 コーディネータ:佐藤仁志(環伊勢湾木曽三川河口部住民)
 発表者(予定):大沼淳一(NPO法人みたけ・500万人の木曽川水トラスト)
           ・美濃和紙あかりアート展実行委員会委員長 他

 概要
○ 安直な神話におもねることなく
 エコとか地球にやさしい言葉が氾濫しています。愛地球博のおかげで「自然」「環境」「学習」に異議を唱えるのは国賊、県賊あつかい? 我こそは環境博覧会の正統な継承者だ!なーんちゃって????争ったりして????こうなるともう「自然」「環境」「学習」は三種の神器だね。このてのシンポや意見が氾濫していますが、この言葉は使う人によって意味や対象がぜんぜん違っていることが多く、それを放置したご都合主義の意見交換では齟齬が拡大し、お互いの行動に矛盾がおきてしまったりしているような気がしませんか。第4分科会では、こういう便利言葉を易々と使わないように、お互いの体験に根ざした交感がしたいと思います。かなり困難ではありますが・・・
○ 流域の 山・川・里・海 産・官・学・民
 グローバリゼーション(実はこの言葉も正体不明なところがありますが)が私たち1100万人が暮らすこの流域の 本来当たり前にいたはずの、たとえばアサリやシジミ、ハマグリの流通をおかしくしている、ようです。 生活者基点で、生き物だけでなく水、経済、社会、文化 さまざまな循環(これも怪しい言葉ではありますが)を目指して 流域の市民(これも怪しい)が呼びかけを始めています。
○ 現場・原体験
 美しい村運動というのがドイツ方面にあると紹介されています。そのココロは、たとえば、農家民泊(ベット&ブレックファースト)のおもてなしは、味わい、香り、音、手触り、ぬくもり、いたわり、いとおしさ、そういうお仕着せでない、地の底からわきあがるものが大切で、住民ひとりひとり、特に農家の主婦が自身と誇りをもつ、それが真の美しさ だというんですね、さすが生真面目なドイツ系???この分科会、なにかの因縁で集った仲間、3時間です。現場のワーカーによる原体験の掘り起こしを縁起として、「いのち」と「つながり」を再確認する場になればと思います。
○ (博物)館
 過去の歴史的経緯から、個人の尊厳があまりにも阻害されていた反動で個人の自由のために共有地も共有智も解体されてしまった(この表現こそ怪しいですが)のかもしれません。コモンズの悲劇を制御する掟と役割分担もいっしょに失いかけている(これも怪しい表現)いかにして、自分たちの居場所として共有地的なものを再構築するか、将来のこどもたちのために、いかにして共有智を継承するか語り合いませんか。
 
 13:00〜総括集会

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