春から夏にかけて、樹芸研究所青野研究林の森林ではクロツグミやオオルリ、キビタキなど様々な鳥が美しくも賑やかにさえずりの音色を奏でます。
鳥たちの美声の競演の中、沢筋付近の藪から「シシシシシシ・・・」と細く高い虫の音のような鳴き声が聞こえてきます。声の主はヤブサメです。
ウグイスの仲間であるヤブサメは、体長が10cmほど、体の色は茶褐色で見た目もウグイス(写真1)によく似ています。
ヤブサメは薄暗い藪の中を好み、また警戒心が強いので鳴き声はすれどもその姿をなかなか見せてはくれません。
何度かカメラ撮影を試みたことはあるのですが、薄暗い藪の中をまるで忍者のように頻繁に移動するのでピント合わせもままならず、撮影は失敗の連続でした。
この”森の忍者“ヤブサメを私が初めて撮影したときのお話です。
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