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    アイヌ丸木舟製作用の大木カツラを伐倒しました

  北海道演習林ではアイヌ文化の伝承や発展に寄与すべく、(公財)アイヌ民族文化財団との連携協定を締結しており、文化財として林産物の供給も行っています。11月18日(月)、丸木舟(チプ)製作用に提供するカツラの大木を伐倒しました。現地へ移動している道中、コロコロコロとクマゲラの鳴き声が森の中に響きました。クマゲラはアイヌ語で「チプタ・チカップ」と言われ、舟を掘る鳥を意味するそうです。そのクマゲラがなんとこれから伐倒するカツラに留まったのです。ドラマチックな出来事に心躍らせながら、伐倒前の祈りの儀式(カムイノミ)が厳かに執り行われました。辺りは神聖な雰囲気に包まれました。
 カツラは胸高直径が76cmと太く、空に向かってまっすぐ伸びています。腕利きの地元業者の方によってカツラの大木は丁寧に伐倒されました。根元の部分に材の腐れがあったものの、根元から2mほどの場所で伐り直してみたところ、腐れが一切ないキレイな木口が姿を現しました。丸木舟を作るに足る、長さ9.8mの材を採ることができました。担当者の方によると、伐倒したカツラは手作業で掘って船を作るとのことで、卓越した技術が今なお受け継がれていることをお話の中から感じ取ることができました。演習林の木を介して、アイヌ文化の一端に触れることができました。木は昔から人の生活に寄り添い続けているのだと、強く実感させられるひと時でした。

 
 
  
  

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