English

  トップ > トピックス > 2011年度 銘木市

    2011年度 銘木市

 1987年から続けてきた旭川銘木市への出品も,今年で25年目を迎えました。 長期にわたって持続的に伐採木の量を確保するのは難しいものです。 形質優良な銘木ともなるとなおさらで,十分な観察と工夫が必要になってきます。 例えば,ハリギリは枯れるとすぐに材質が劣化して製品価値がなくなってしまうため,樹勢の衰えが進行した段階を見計らって伐採しなければなりません。 これに対して,ウダイカンバは枯れてからも暫くの間は材質の劣化が少ないので,じっくりと待ってから伐採できます。

 そんな訳で,今年度はウダイカンバの枯損木12本,衰退木3本,間引き木2本と,ハリギリの衰退木4本から,ウダイカンバの丸太39本(26.630 m3)とハリギリの丸太7本(16.962 m3)を直営で生産し,2012年1月20日に開催された旭川銘木市に出品しました。 以下に結果を紹介します。

<ウダイカンバ>
 旭川銘木市では落札単価(1m3当たり)が20万円以上のとき,進行役から「大台です」との声がかかって拍手が起こります。 今回北海道演習林から出品したウダイカンバ丸太は,39本中23本が大台の拍手をいただき,そのまま樹種別高額単価の1〜23位を独占しました。 最高単価は180万円(写真左の立木の2番玉),最安単価は1万700円と大きな開きがありましたが,銘木市ではよくあることです。

<ハリギリ>
 旭川銘木市の2012年のポスターに写真が掲載された巨木(写真右:樹高27m,枝下高15m,胸高直径106cm)も出品しました。 この木は既に樹勢がかなり弱っていて,優良形質を残す母樹として「ギリギリ」まで観察し,その使命は全うしたと判断して伐採しました。 それを元から3玉(2.8,6.0,4.6m)に分けて出品したところ,元玉は樹皮に虫穴が見られるにもかかわらず樹種別高額単価3位の41万8千円,2番玉は同1位でハリギリの最高記録に迫る72万5千円で落札されました。 この立木1本だけで総額460万円となりました。 北海道演習林から出品したハリギリは最安単価でも16万円と,すべて高値で取引されました。

Okamura,K.

 
 最高値で取引されたウダイカンバ優良木
 最高値で取引されたハリギリの巨木

〒079-1563 北海道富良野市山部東町9番61号
TEL:0167-42-2111   FAX:0167-42-2689
E-mail:hokuenアットマークuf.a.u-tokyo.ac.jp

Copyright (C) The University of Tokyo Hokkaido Forest. All Rights Reserved.