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    2006年度 銘木市

 年末年始、この季節になると築地など全国各地の市場で催される競り(せり)の様子がよく報道されます。 木材にもまた、競りによって売買される市場があります。 本州では、スギやヒノキの産地で競りが行われています。 北海道には針葉樹を専門に扱った市場はありませんが、広葉樹を扱った市が日本一の規模で開かれています。 道内最大の市場は、旭川林産協同組合が主催する「北海道産銘木市売」(通称「旭川銘木市」)です。 1967年の開設から年々規模を拡大し、現在では年に12回開催され、取り扱う丸太の量が国内最大級の木材市場となっています。

 北海道演習林では、1987年から本格的に銘木市へ丸太を出品するようになりました。 最近では年に1回、毎年12月に開かれる銘木市に合わせて出品しています。 演習林内に張り巡らされた900kmを超える林道を活用し、形質が優良で伐り頃(樹勢が衰えて枯れそうな個体)な広葉樹を選んで収穫しています。 2006年は、ウダイカンバ69本(48m)とハリギリ43本(47m)の丸太を出品しました(一般に木材は体積(m)によって流通し、販売単価は1m当たりで表示されます)。 この冬は寒気の到来が遅れ、地面が十分に凍結していなかったため、売り物となる丸太が泥だらけとなってしまい、見栄えはあまり良くありませんでした。 しかし、当演習林産のウダイカンバとハリギリは、いずれも市場では「東大演習林ブランド」として認識されているため、販売価格としてはまずまずの結果でした。 今回、演習林から出品した丸太で、単価が最高だったのはウダイカンバの108万円でした。 太さ32cm、長さ3m、材積0.529mでしたので、丸太1本が57万円で売れました。 市場に出品する丸太は、採材(切り倒した樹木を丸太として切り分けること)の仕方によって価格が大きく変わってきます。 丸太が長いほど用途が広がるため、買う方は真っ直ぐで長い採材を好みますが、幹が通直で真ん丸な樹木はなかなかありません。 幹の曲がりがなるべく小さくなるよう、枝や枝跡、材の腐った部分があればそれがなるべく小さくなるよう、試行錯誤しながら採材を行います。 そんな丸太が、銘木市で高い価格で売れたときはホッとします。ハリギリに関しては、一本の木から採材された複数の丸太を同じ買い手が落札する傾向が見られました。 こんな市場調査も銘木市での重要な仕事となります。 今回の銘木市で丸太を購入してくれた業者さんを地域別にみると、合計112本のうち54本は道内に、その他は36本が中部地方、16本が近畿地方、3本が九州、3本が関東に買い上げられました。 価格についてみると、数量の多かった道内よりも道外の方が高い価格で買いつけているようでした。

 北海道演習林から切り出された広葉樹の丸太は、銘木市を通して日本各地に流通しています。 銘木市で売買された丸太は、主に家具材や内装材として使用されます。皆さんの身近なところにも、ここ富良野で育った木材があるかもしれません。

Okamura,K.

 

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