レジュメの作り方の基本
      金沢大学理学部生物学科自然史講座  助教授 鎌田直人

 ゼミや演習でレジュメをつくる機会が多いかと思いますが、最初にゼミに参加する学生に共通する問題点が多いことに気づきました。毎年、研究室のゼミで、2〜3ヶ月にわたり同じような指摘を繰り返すことは、あまり効率的でないと思い、ホームページで公開することにしました。


1.全体的なこと
 ○ 日付、担当者、紹介する論文や本の情報(最低限、論文を書くときに引用に使う情報)を最初に必ず入れる
      論文の最後に「引用文献(References)」という項目があります。そこで引用されている項目は最低限入れるようにします
      通常、ジャーナルからの引用の場合
         著者名・発行年・論文タイトル・雑誌名・巻・ページ
      が必要情報です。
      単行本や単行本の一部については、どんなものでも良いので学会誌の論文と投稿規定を読むと書いてあります
      ジャーナルによって、形式は微妙に違いますが、必要とされる情報は大体同じです
 ○ できる限り箇条書きにし、インデントを使って見やすくする
 ○ 体言止めを多用する
 ○ できるだけワープロを使う
 × 原文の重要と思われる文を全訳して、つなぎ合わせたレジュメ
 × 1つの文が3行以上にわたるレジュメ
     →1つの文はできるだけ1行中で終わるようにし、せいぜい2行程度にとどめる

2.英語の句読法
  2-1. 英数字は一部の例外を除き、原則として半角文字を使う
  2-2. ,(カンマ)、.(ピリオド)、:(コロン)、;(セミコロン)は、半角文字を使い、これらの区切り文字のあとには、必ずスペース(もちろん半角)を入れる。.
  2-3. 基本的に、省略語は次のようにする。小文字の場合は省略語のあとにピリオドを入れるが、大文字の場合にはピリオドは使わない。
      例.standard deviation
          小文字の場合 s. d. (sとdのあとにピリオドを入れる。dの前に半角のスペースが入る) 
          大文字の場合 SD (SとDのあとにピリオドはいらない。Dの前に半角のスペースは入らない)
  2-4. 数量単位(cm, gなど)のまえは半角スペースを入れる。例外は%(パーセント)。
      例.50 cm, 80%
  2-5. 外来語はイタリック体で表記する。イタリック体の使えないワープロや手書きの場合は、アンダーラインで代用する。
      例.et al. または et al. (alのあとに省略形のピリオドも忘れないこと)
  2-6. 学名(属名・種名・亜種名)はイタリック体で表記する。イタリック体の使えないワープロや手書きの場合は、アンダーラインで代用する。
  2-7. 人名の表記法に慣れること。この表記法になれていないと、学会誌によって著者名の表記法が違うため、論文の引用文献の欄がむちゃくちゃになる。
       例.First Middle Last という、欧米でもっとも一般的な例の場合。以下のように、表記する。
         First M. Last
         F. M. Last
         FM Last
         F. Last
         F Last
         Last, F. M.
         Last FM
     法則性としては、以下のような点が上げられる。
      ・Last nameはプライベートな手紙などを除くと省略することはほとんどない
      ・Middle nameだけを省略形にする場合がある
      ・Last nameを最初に書く場合、Last nameのあとにカンマを入れるか、最後の例のようにする
      ・Middle nameがFirst nameよりも前に表記されることはない。
  2-8. 英語の句読法や論文体裁のスタンダードともいうべき参考書として「MLA 英語論文の手引き(北星堂書店)」というのがあります。
     細かい点は、ジャーナルによって異なりますが、基本的なことはこれが一冊あるとだいたいわかります。
     私の手元には1998年発行の第4版があります。

(最終更新日 2000/12/10)