「 東京大学赤津研究林の見どころ -2016年改訂版- 」
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はじめに 赤津研究林は,正式名称を東京大学・大学院農学生命科学研究科・附属演習林・生態水文学研究所・赤津研究林といい,森林・水・人間の相互作用に関する基礎・応用研究と大学生・大学院生の教育を目的として,東京大学が所有し,管理している森林です。総面積は745ヘクタール(名古屋ドームグラウンドの556個分)で,尾張と三河の境をなす尾張東部丘陵に位置し,北は岐阜県境の三国山の麓から南は猿投山の山頂まで広がっています。 瀬戸市における陶器づくり1300年の歴史は,森林破壊の歴史でもありました。人々は燃料生産のため,樹木を伐採するだけではなく,切り株を土から掘り出してきて使ったため,森林は自然再生能力を失い,草木が一本も生えないハゲ山になってゆきました。ハゲ山から流出した土砂は河川に堆積して水害を引き起こしたため,江戸時代中期からハゲ山に森林を再生する努力が行われてきました。東京大学が演習林を設置した目的は,ハゲ山を森林に再生し,同時に,その過程を長期間つぶさに観察し,科学的なデータとして残すことでした。 生態水文学研究所では,研究・教育の施設や,1922年の創立以降約100年間にわたり育成してきた森林を,一般の方にも見学していただけるよう,見どころを半日程度で効率よく巡回できる見学コースを設けています。このリーフレットでは,この見学コースを順にご紹介していきます。 |
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