「 犬山研究林の自然 -春・夏- 」
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はじめに 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所(以下、生態水文学研究所)の犬山研究林は、1922(大正11)年にこの地に設置されました。当時の犬山研究林は、尾根筋や急な斜面には植物はほとんど見られず、いわゆる“ハゲ山”の状態でした。ハゲ山になってしまった原因は、人が樹木を伐り燃料(薪)にしたり、落ち葉を畑の肥料として利用したことです。生態水文学研究所では、設置以降、ハゲ山を修復し、森林を再生させる取り組みを行ってきました。そうした取り組みの結果、現在の犬山研究林の森林は、ハゲ山以前の森林の姿からは程遠いものの、現在ではたくさんの種類の動植物がみられる豊かな自然環境へと再生し、四季折々にその姿を変えて私たちを魅了してくれます。 犬山研究林は4つのゾーンに区分されており(リーフレット⑥「東京大学犬山研究林のみどころ」P7-8参照)、そのうちのふれあいゾーンには見学用の散策路が整備されています。このリーフレットは、犬山研究林利用者協議会(以下、協議会)のメンバーが中心となり、主にふれあいゾーンでみられる春と夏の自然のうち、植物とチョウにスポットを当ててまとめたものです。本リーフレット中の写真のほぼ全ては、協議会のメンバーが自ら研究林内で撮影したものです。本リーフレットを片手に犬山研究林の自然を学んでください。また、秋と冬の自然については、別リーフレット⑦「犬山研究林の自然-秋・冬-」を発行しておりますので、そちらをご覧ください。 |
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