青の革命と水のガバナンス研究グループ

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5 武庫川の基本高水について

投稿1  2005/9/21(水) 午後 7:44
投稿1 蔵治光一郎  2005/9/21(水) 午後 7:44

武庫川における基本高水の議論で、武庫川流域委員会の委員の方からコメントをいただきましたので、以下に掲載します。
■議論がインプットする降雨のみに議論が集中していたこと
モデルパラメータ等の決め方については過去の委員会と流出解析ワーキングチーム(WT)でかなり議論してきました。必ずしもそれで合意に至ったというわけではありませんが。
・流域分割
流域分割は、大きく15分割したものをさらに概ね「10km2以下になるよう」(実際は2.1〜19.5km2)62分割で行われています。
分割の仕方が地形を考慮していない点、支川単位でない点が問題だという指摘が出ています。
また、古いデータ(昭和30年代)では雨量観測点数が少なく、これらのデータからティーセン分割で求めているため、観測点数によっては誤差が生じることが委員会で判明してます。
しかし、流域分割をしなおすと計算(検討業務)をやり直さないといけない(膨大な費用がかかる)。
・土地利用
流出解析には平成9〜12年の国土地理院の地図から読み取った値を使用。
将来予測には、市街化区域内が全部市街化すると仮定した値を使用。
上記の値で見ると、武庫川流域500km2のうち山林が62.7%でその山林のほとんどが二次林です。
流域の土地利用の変遷は、第5回リバーミーティングで伊藤委員が詳細に報告してくれました(資料公開)
・角屋定数C(パラメータ)・・第17回資料3-1
標準値採用
・流出率f1、fsa(パラメータ)・・第17回資料3-1
利水ダム等4地点での 総雨量−総流出高関係式から
・飽和雨量Rsa
WTの検討過程で畑委員の提案で方式を改良。山林のRsaでだけ処理していたものを、各地目でそれぞれのRsaを割りあてる方式に変更。
・先行水分条件(前期雨量のことかと思いますが)については、上記のRsaですべて吸収させています(と理解しています)。
■基本高水算出の方法は科学的か
同感です。
私が委員会に提出した意見書で書いたことととても似ております。
意見書では「その程度だ」と私は書きましたので、専門家からは誤解を招くというご意見も頂きました。(私は河川工学の非専門家です)
流量のことは私も同感で、何度も委員会で、確率降雨1/100と確率流量の1/100が違うことを申し上げましたが、「降雨総量1/100はどの降雨波形を持ってきても同じポテンシャルだから異常降雨を棄却した後の最大値でよい」という専門理論はもちろん変わりません。

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