1995年度は全体で通年講義として。(生物学)タイトル:進化論でたどる多様な生き物と人の世界

1998/99年度は、全学自由ゼミナール;前期(生命の科学3)・後期(生命の科学4)として。

立教大学1999年度講義内容
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(生命の科学3) 
タイトル:生物の進化とそのしくみ
担当者:石田 健(いしだ けん)
学期・単位数:前期/ 2単位

ねらい:地球上にある多様で魅力的な生命の世界は、進化という40億年近い生物の歴史の産物である。一度起こった歴史は,それっきりで再現できないから、歴史の解釈としてはあくまでも科学的な仮説があるだけである。真実に近い歴史解釈をするには、筋の通ったものの見方が必要である。生物進化の歴史を解釈するための科学的仮説である現代進化論の枠組みを理解し、進化の面白さ、ひいては生命の不思議を実感し、自分自身を理解することにも役立ててもらいたい。
授業方法:毎回、印刷資料を配る。OHP・ビデオ・スライド等も使って説明する。3〜4回、予告をせずに答案用紙を配って小テストをし、理解度と出席率の目安にする。受講人数に応じて多少変える。
授業内容:(1)授業の進め方や成績評価法の詳しい説明と講師自己紹介 ,(2) 生物進化の一般的なシナリオ、NHKのビデオなどを見てもらう,(3)DNAの構造や働きと突然変異,(4)メンデル遺伝学の法則と実例,(5)ダーウィンと自然選択理論、ビデオ「キサントパンスズメガとラン」,(6)血縁選択と利他行動,自然選択の単位,(7)〜(11)進化の実例と進化論による説明,パンダの6本目の「親指」,生物としてのヒト,雄と雌の大きさ,全適応ということなど,(12)キツツキの適応とコゲラの生態.
成績評価方法:小テストと,期末テストまたはレポート(受講人数50人未満の場合)。質問や批判も歓迎・評価する予定.
教科書:中村桂子『あなたの中のDNA』(早川書房、485円)・S.J.グールド『パンダの親指 上・下』(早川書房、各563円)
参考書:授業で紹介する
その他:あるていど生き物好きで、ものごとの背景やルーツをとことん探りたいというような性格の人向きかもしれない。

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(生命の科学4) 後期2単位
タイトル:人間の存在と生物の多様性
担当者:石田 健(いしだ けん)
学期・単位数:後期/ 2単位

ねらい:現代進化論をガイドとして、性差別や人種問題、生物多様性保全,人と自然の関係などを、いっしょに考えてもらう。そのために生物学の具とレシピを、提供したい。
授業方法:毎回、印刷資料を配る。OHP・ビデオ・スライドなども使う。授業のすすめかたの目安にするために、講義途中や最後に無作為に指名して答えてもらい、理解度をみる。3〜4回、予告なしに小テストをし、各人の積極性と出席率の目安にする。質問を歓迎し、評価する。やりかたは、受講者の数や希望に応じて多少変えるつもりである。
授業内容:(1)授業の進め方や成績評価法の詳しい説明と講師自己紹介,(2)DNAの構造や働きと突然変異,(3)メンデル遺伝学の法則と実例,(4)ダーウィンと自然選択理論、血縁選択と利他行動,自然選択の単位,(5)〜(11)直立二足歩行と大きな脳というヒトの特徴,人類の平等は歴史的な真実であるということ,雌雄とは,ヒトの生殖の特徴,男と女の生物学的かけひき,生命の多様性の事実,多様性の根拠など。前期の生命の科学3「生物の進化のそのしくみ」の講義をやりながら、受講生の反応などをみて、詰めていく。(12)ツキノワグマの生態と人との共存。
教科書:E.O.ウィルソン『生命の多様性I・II』(岩波書店、各2,718円)
参考書:授業で紹介する
評価方法:小テスト、期末テストまたはレポート(受講人数に応じて決める)。質問、出席および講師と授業の批評も加味する。
その他:冬休みe-mail相談あり。

以上


後期の生命の科学4の内容は,「人権に関係のある授業科目」に相当いたします.2の社会問題,3の差別,4の環境に関連します.
講義目次
前期:
01.ガイダンス  02.生命の歴史  03.DNAと進化枠組  04.メンデル遺伝学  05.進化論.歴史性  06.ダーウィンの世界.自然選択  07.ダーウィンの世界.血縁選択  08.進化速度  09.8再.自然選択テスト  10.初期の生命界.偶然必然  11.大きさと時間  12.キツツキ
後期:
01.ガイダンス  02.生命の歴史  03.DNAと進化枠組  04.メンデル遺伝学  05.進化論.歴史性  06.ダーウィンの世界.自然選択  07.ダーウィンの世界.血縁選択  08.雌雄のかけひき  09.男女平の平等  10.生物多様性1  11.生物多様性2  12.野生動物共存.クマ・奄美