掲載順は一部不同,やや支離滅裂ですが,内容は充実・保証付き(に限定) 2006.10.28 改訂
私が、奥秩父や奄美大島でフィールドワークを行うときの基本装備をご紹介します。
服装、、、長袖(基本的にゴアテックス素材のウェア上下を必ず携行はする。上着はたいてい着用、ズボンは雨、藪こぎ以外はたいてい携帯。)、肌につける上半身の下着は化学繊維素材の発汗性のTシャツ(旧小泉内閣提唱のクールビズのお陰で比較的安価で快適高性能のものが日常品店で買えるようになった)、寒ければその上にフリースの山着(今は化繊がおすすめ。ただし、火気に注意!)、ズボンは綿のジーンズやチノパンツ、冬は厚手のウールスラックスを愛用(フリースの山ズボンも一着持っているが今一つ気に入らない。私は体が小さく、日本人の体格が大きくなって近年の量産品が合わなくなってしまった。特にズボンはオーダーでないとしっくりいかない。ジーンズなどはサイズや型が豊富でなんとかなる。)、パンツ(ブリーフorトランクス)はインド綿の日常品(山用品を2つ持っているが、装用感がきつくて悪すぎる)、靴下はDTY点で買える綿の5本指靴下が最高、状況に合わせて厚みの異なるフリースの山用靴下を重ねる。
革手袋: 園芸/作業用等、、、布・編み物製品(軍手など)と異なり、尖ったもの(折れた枝、植物の棘、岩角、釘の頭、鉈使用時に意外と取っ手近くの刃で指を傷つけるなど)に対してもあるていど強い。濡れたもの、泥などの汚れにも強い。藪でハチなどに不意にぶつかったときに軽く払っても刺されずにすむ、など利点は大きい。自身の手への馴染みと着脱の容易さの両面から使いやすい厚さ、素材、成形のものを自分で比べて見つけておくと、革手袋なら、していてもそれほどずれず、割合細かい作業もできるので、わずらわしさも半減する。親指、人差し指、中指の3本の先(右手だけなど)に穴を切り取った手袋を作っておく、など、用途に合わせて工夫するとよいだろう。
帽子またはヘルメット 周囲に縁のある帽子または通気性の確保された登山用ヘルメット(高価だが、長時間使用するのに断然よい)。転倒時はもちろん、森では上からいろいろな物が降ってくる。
補足情報: ちなみに、運転中、私は前ツバだけついた帽子と白い革手袋を着用することが多い。日よけ、手の疲れやハンドルの滑り軽減等、直接の御利益の他に、対向車や歩行者に対する合図や挨拶を明確に送れる利点もあって、安全運転、快適運転に役立つ間接効果が実感できる。
靴 これは好みの域もありますが、私は東京巣鴨のゴローの靴ばかり、履いています。日常はてつ(3色、4足を履き替え、履き分け)、山では主にダックライト(2足を履き替え、水に弱い)、雪だと手作りオーダー登山靴。それ以外は、安売りのかかとつきサンダル。深い雪では、スポーツタイプのスノーシューを愛用。奄美大島でのハブ対策(万全では決してない)をかねて、防弾素材のケブラーの層入りで地面や木の根を痛めにくいラジアル底の長靴。奄美(や山原)以外でも、造りがしっかりしていて、雨天で急斜面を歩く(なるべく避けるべきですが)のにも勝れている。
自動車 本州・北海道・四国・九州での活動では、三菱パジェロ・ショートタイプのガソリン・マニュアルトランスミッションの車種を長年利用。雪道の急な登り、長い急坂でのエンジンブレーキ使用、長距離長時間の運転を考えると、今のところ最適に思える車種。奄美大島では、軽自動車のワンボックス、マニュアルトランスミッションの四輪駆動車を借りて利用。雪がなければ、これがいちばんだと感じている。ただし、林道での低速走行を一晩中続けるアマミヤマシギのセンサスでは、クラッチを踏む左脚がひどく疲れて、オートマチックトランスミッションの車が、やはりありがたい。
お奨め BEST
ヘッドランプ(princetontech)・・・長年,10種類以上のヘッドランプを試してきたがこれを見つけるまで満足できたためしがなかった.装着感・軽量・防水性能・適度の明るさ・維持管理などの点で,この製品はほぼ理想的(唯一の欠点と言えば言えるのが電池交換がやややりにくい).単3電池2本使用.現在、ランプ部分を標準ランプ・キセノンランプ(明・電池寿命短)・発光ダイオード(暗・電池寿命長)の3種類から選んで使える。
※2003年末以来、世の中すっかり変わりました。発光ダイオードを使用した製品が普及し、高輝度、多灯使用の製品が比較的安価になり、十分フィールドワークに耐えます ---> どの製品も大差ないので、BETTERの参考欄へ。なお、上記プリンストンテック製品は愛用し続けています。その価値ありなので、ここにまだ残しておきます。
ミニマグライト(MINI MAGLITE AA)・・・言わずと知れた逸品.フィールドワークには単3乾電池2本型が基本.昼間も使う場面がある.軽量,堅牢,予備替球収納,光束調整,輝度,電池持続時間など機能もすべて満足できる.最初の一本は,25年余り前に東京の池袋の東急ハンズで5800円だった.今は,2000円くらい.同型4本を鞄や道具箱に常備し,我が家では小・大型のを合わせて8本のマグライトを所有.クリプトン球を高輝度LEDに交換するユニットも現在販売されているが、予備球(不要??)を内蔵できないのが欠点かどうか不明。他製品と兼用したほうが便利なので、未検証です。
※以上2点の光源は,フィールドワーカー全員に絶対おすすめの品.類似品もいろいろあり,まねしたようなのもでているが,見たり使ったりしてみると,何かが劣る.予備や臨時には他の製品でもよいが,結局,信頼して使い続けているのがこの2点.それにしても試しで買ったものも含めて40個余りの「懐中電灯」を,使っている私でした.電池の液漏れ管理に失敗して数年に1個くらいだめにしています.今後は、高容量ニッケル水素電池(現在単3で2500ahまで)とオキシライド電池の使用が注目?
ミツトヨのノギス(vernier caliper)一級・・・残念ながらここに示すのと同じ製品はすでに製造中止で手に入らない模様.例えば小鳥の嘴にあてて最後の0.1mmを調整するときの滑りが,本製品は格段に勝る.実用上はほとんど問題のない後継品は製造・販売されている.適宜Cre556をやってよく拭いておくことが肝心.mitutoyoとそれ以外の製品では,手にとってみると滑りが違い,こちらが優れている.現在は,デジタルノギスが主流となっている模様.これは,高価だし,電池切れあるいは太陽電池は光不足の心配がフィールドワークにはつきまとう.【製品情報】
※でも、老眼がこれを使うときの難敵になってきた!
マタギナガサ(叉鬼山刀)・・・野外では8寸袋ナガサを使っている。柄にはテニスラケット用の皮製バンドを巻いてある。管理に注意が必要で、山で出す以外人目に触れない場所にきちんとしまってある。【製品情報】
どうせ持つならこちら BETTER
吸引器(extracter)・・・自分自身でまだ本格的に役立てた場面がないので,betterの項目にいれてあるが,マムシに噛まれてこれを使ったために血清を打たずに済んだという体験を直接聞いた.類似品より優れた点は,ピストンを押し込むと固定され力を入れ続ける必要がない点.吸引力を長時間維持でき,手を離して帰り支度などができる.あるいは,歩きながらでも効果的に吸引できる.また,吸い口に複数の形状・大きさが用意されている.最近、奄美大島の量販店のビッグツーにもあった。たぶん、ハブのいる島では日常品になりつつある。【製品情報】
※ハブの牙は2本なので2個持っているという人がいるらしいが,体の中に入った毒が分かれているわけではない(それなら助かる!)ので,1本で十分な機能を果たせるそうです.あわてて,踏んづけて壊してしまったときの予備に,というならよいですけど.
札幌秀岳荘のスパッツ・・・ロングスパッツ.今までに数種類を品定めの上で試して来た(一度買うともったいないので,使えなくなるまで使ったため,試行回転率は悪かった)中で,靴底回り固定が丈夫なワイヤで,使用中にはずれる心配のない構造と,それを装着後に締め付ける機能があること,ジッパーが大きく,雪の時凍っても比較的開け閉めしやすい,ジッパーカバーがしっかりしていて雪の中から帰っても容易に脱げる,ゴアテックス使用で蒸れにくい,といった特長を備えている.以下の2点に不満が残る:(1)気に入った色がない(かった),(2)厳冬時の手がかじかんだときにジッパーを閉じる際に力を入れやすいように,本体下端にもベロが欲しい.
※その後、この店で前にチャックのある製品も購入。使いかっては、側面ジッパーと一長一短。本格的雪中での使用を、この製品では経験していないので、未判定です。
※※その後、調査のために、細いワイヤーやワイヤーカッター、ワイヤを留めるための金具などを使い始めた。靴底回りの固定ワイヤを、既存の切れた金具部品を再利用して手作りすると、自分の足と靴に合わせて最適の長さのワイヤを調達でき、しかも、他社製のゴアテックス・スパッツでも応用可能。まだ、未試用です。
光は大切。現在販売されているLED製品はどれも使って便利。特に、長時間使用可能で、長時間かけて徐々に暗くなっていくので電池切れに合ったときに安心である。持っているものの一部。
必要ならどうぞ EXAMPLE
諏訪田の爪切り 鳥を霞網からはずす作業など、細かい作業に 自分の指の爪を使うことは少なくない。適切な長さ、形にうまく切りそろえるのに、良い 爪切りは、意外とだいじな道具かもしれない。爪切りの代表格がこれ。恥ずかしい気持ちを抑えて、女性の化粧品店へ行って、爪のヤスリなども購入して使っている。今は、ネット通販で購入できるので、男性も少し気楽に手に入るはず。
その他
クマ撃退スプレー について
「一般」の方が使用することを、私はすすめません。ちなみに、石田は複数所持し、よく携帯します。15年の間に、研究チームとして使用したことは1回あります。このときは、使用しなくても対応できた、あるいは使用する状況になったのは私の明らかな判断ミスだったと反省されました。記憶にある限り、このときを含めて2回以上、発射した現場にいて、発射した場合の状況を知っています。
理由:このスプレーを本当に使う状況に陥るような方は、おそらく冷静適切に使用することはできません。「使えた」としても、自滅するのが おち です。「使った」としても、必要ないのに使っただけかも知れません。
発射することにより、自分や同伴者の感覚や注意力を低下させれば、クマの動きを観ることができなくなり、同伴者と意思疎通ができなくなり、クマがいなくなっても転倒や衝突などによって怪我などを被る恐れが予想されます。
クマに遭ったら、相手の様子をよく観る(凝視してはいけない、目で見、耳で聞き、肌で気配を感じ、臭いを嗅ぎ、クマと自分の置かれている状況を相対化して冷静に判断する。次に相手がとる行動、自分のとるべき行動を想定し、最善の動きをする、足で地面の状況を察知し、記憶で自分とクマの退路を想像するなど)ことが重要。クマが、積極的にヒトをおそうことは、少なくとも日本国内では100%近くない。ほとんどの場合、じっとしていればクマは去る。
もし、持ちたければ、御守りとして持ち、始終手にしてはクマにばったり遭わないように注意するよう思い出す徴(しるし)にするとよいでしょう。さらに、最初は2本同時に買って、1本は、安全を確認した上で実際に山の斜面の藪の中で使ってみましょう。練習用の、カプサイシンの入っていないものがありますが、これは余り意味がないと思います。発射したときにどれほどたいへんか、自分の置かれる状況を知り、クマにも迷惑だと解れば、お守りの効用もあがると思います。そこまですれば、距離を置いて遭ったときに、声を出して自分の存在をしらせつつ、相手を冷静に観るときの安心の助けとしては、役立つと思います。
※クマに遭わないため、遭ったときの一般的注意は、壱の巻の危険な動物の項を参照。
最近は、里に出てくるクマも居て、その対策は地域の問題です。