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研究

千葉演習林における高齢人工林の管理・経営

千葉演習林 講師 鈴木 誠

2005年11月15日

 わが国の森林面積は国土の65%を占め、約2,500万haに及ぶ。このうち人工林が約42%、1,040万haである。我々はこのように豊かな森林に恵まれ、生活の基盤として森林を育成し利用してきた。しかし昭和30年代の高度経済成長に伴い若い世代を主として農山村から都会へと人々が流動した。その結果、森林管理の担い手の高齢化、外国産材との競争の激化による木材価格の低迷、さらにコストの増大から採算性の合わない林業が見捨てられる状況が続いてきた。したがって、戦後行われた林種転換に伴う大面積造林地が現在40から50年生(民有林の図参照)に達している。千葉演習林もこの時代の植栽面積が人工林面積830haのうち約25%を占める。しかし、図1に示したように千葉演習林の齢級構成は70年生以上の高齢林分が約400ha、50%ほどを占めている。

 本研究はこの高齢人工林の管理システムを確立し、30~40年後に民有林が遭遇するであろう高齢人工林の管理・経営指針、さらに森林管理の先駆的技術開発を目的とする。

 具体的にはこれまでの皆伐施業から環境保全を考慮した間伐方法の検討、さらに非皆伐施業に重点を置く複層林造成の研究を進めている。複層林造成のポイントは林内の明るさのコントロールであり、地位・地形を考慮し対象林分を決定する必要がある。これまでの結果から最終的に上層木の立木密度は200本/ha以下、林内の相対照度は30%前後を維持することが望ましい。20%以下では受光伐を必要とする。これら関連の研究内容は以下の論文を参照されたい。

<参考文献>

[1] 鈴木誠・龍原哲・石原猛・南雲秀次郎(1995)千葉演習林におけるスギ高齢林分の間伐方法に関する検討 日林誌77(4):314~320

[2] 鈴木誠(1998)スギ・ヒノキ高齢林の経営論的研究―東京大学千葉演習林における人工林経営に関する実験―、東大演報100:131~213