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研究

人為的に凸地形をつくる地がき処理は有用樹木の天然更新に有効

後藤 晋(森林圏生態学研究室/研究部・富士演習林 准教授)
2010年7月22日

研究内容 


 北海道の針広混交林(針葉樹であるトドマツやエゾマツと広葉樹が自然に混じり合う森林)の林床はササ類が厚く覆っており、伐採後の樹木の天然更新を阻害していることが知られています。北海道では、これまでブルドーザなどの重機を用いてササ類を根茎ごと剥ぎ取って更新場所をつくる「地がき」が事業的に行われてきましたが、将来、伐採対象となる有用樹種がうまく更新しないことがあるという問題がありました。

 東京大学北海道演習林では、1979年に特殊なアタッチメントを付けたブルドーザを用いて、地表をかき起しながら、3種類の異なる微地形(凸、平、凹)を設定しました<写真1>。地がき処理から26年後に、これらの微地形が樹木の更新に及ぼす効果を調べた結果、有用樹木3種(エゾマツ、ダケカンバ、ウダイカンバ)は、平や凹地形に比べて、凸地形でより多く更新していることが分かりました<図1>。人工的に微地形をつくる地がき処理が、資源減少が心配されるエゾマツやウダイカンバの更新に有効という知見は、今後の北海道の森林管理に役に立つと思われます。

 

図表


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<写真1>特殊なアタッチメント(一本爪レーキ)をつけたブルドーザによる地がき処理。凹凸の微地形を人為的に設定している。

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<図1>地形別の実生発生数

 

発表文献


Goto et al. (2010) Long-term effects on tree regeneration of soil scarification with microtopography manipulation in mixed forests of central Hokkaido, northern Japan. Journal of Forest Research DOI:10.1007/s10310-010-0190-0.