樹芸研究所クスノキ林が「ふるさと文化財の森」に設定されました

樹芸研究所のクスノキ林が平成22年度の「ふるさと文化財の森」として設定され、設定書交付式が平成23年5月26日(木)に行われました。附属演習林としては秩父演習林のサワラ林に続き2箇所目になります。

「ふるさと文化財の森」は、文化庁のふるさと文化財の森システム推進事業の一環として、国宝、重要文化財などの文化財建造物の修理に必要な資材供給のためのモデル林及び研修林として設定されます。

現在樹芸研究所に遺るこのクスノキ人工林は、およそ100年前に樟脳生産のために松崎の事業家により造営されたものです。その後、樟脳生産が行われなくなって放置され、現在に至ります。そのクスノキを、修理用資材として文化財保護に活かすことは、森林と共にあった日本文化の側面を支える一面を持ちながら、不要となれば放置する現代的人間社会の在り方を見つめ直す一面も持ち合わせています。通常の木質資源生産で重視される規格化・効率化とは異なる視点を持って森林経営に当たることは、結果的に多面的な森林の取り扱いを重視することにつながって、大学演習林ならではの柔軟な森林経営の足腰を鍛えることになりましょう。その様な思いを込めて、真摯に取り組んで参ろうと思っております。

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写真左:交付式の模様
写真右:「ふるさと文化財の森」に設定された樹芸研究所のクスノキ林

補足

本件の詳細については、以下のホームページを参照してください。
http://www.bunka.go.jp/bunkazai/hozon/furusato_settei.html