教員の紹介

佐藤貴紀

sato_jp.jpgSATO, Takanori

特任助教(生態水文学研究所/森林流域管理学研究室
専門分野:森林水文学

プロフィール:1984年千葉県生まれ.2003年3月に千葉県立船橋高等学校を卒業.2004年4月に東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科に入学.同大学を2008年に卒業後,同年に東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻に進学.同専攻の博士課程前期を2010年に終了,同専攻の博士課程後期を2015年に卒業し,学位(農学)を取得.同年の4月から東京大学生態水文学研究所に特任研究員として着任.2017年5月から同研究所の特任助教に着任し,現在に至る.
学生のころの主な研究フィールドはタイ北部に広がる熱帯季節林で,特にタイの主要な植林木の一つであるチーク人工林を対象として水文気象観測,樹液流計測を実施し,チークの蒸散活動の季節性や蒸散量推定に関する研究を行ってきました.森林と水との関係に興味を持ち,現在も生態水文学研究所の研究林や豊田市に広がる手入れ遅れのヒノキ人工林を対象として、森林からの流出特性や蒸発散に関する研究を継続しています.また近年,同研究所ではナラ枯れ被害が発生し,多くのコナラが枯死するという被害を受けました.それが森林生態系に与える影響について興味を持ち,蓄積された生態系データを用いた解析も行っています.


★現在の主要な研究テーマ
「手入れ遅れのヒノキ人工林を対象とした,間伐等の森林施業がヒノキ人工林の水収支,土砂流出に与える影響」
「東海地方暖温帯における,ナラ枯れが森林生態系や水・炭素収支に与える影響」

★研究業績

●原著論文

  1. 佐藤貴紀,松井理生,田中延亮,蔵治光一郎(2016)東海地方の暖温帯二次林におけるカシノナガキクイムシ被害の経年変化.中部森林研究,64:47-50
  2. Sato, T., Tanaka, N., Tanaka, K., Igarashi, Y., Yoshifuji, N., Suzuki, M., Tantasirin, C. (2015) Applicability of thermal dissipation method (TDM) for sap flow measurements of teak tree. Bulletin of the University of Tokyo Forests, 133: 1-18. http://hdl.handle.net/2261/58514
  3. Sato, T., Oda, T., Igarashi, Y., Suzuki, M., Uchiyama, Y. (2012) Circumferential sap flow variation in the trunks of Japanese cedar and cypress trees growing on a steep slope. Hydrological Research Letters, 6:104-108. doi:http://dx.doi.org/10.3178/hrl.6.104
  4. 佐藤貴紀,田中延亮,井上淳,澤田晴雄,渡部賢,鈴木雅一(2010)愛知演習林のコナラを対象にした樹液流の染色実験の報告.演習林(東大),49:29‐41. URI:http://hdl.handle.net/2261/35471

★学位及び賞等
博士(農学)(2015)「Studies on transpiration characteristic of teak plantation in northern Thailand based on sap flow measurements(樹液流計測に基づく,タイ北部チークの蒸散特性に関する研究)
農学生命科学研究科長賞(2015)

★学会活動
水文水資源学会,日本森林学会,中部森林学会

★教育活動
総合科目フィールドワーク「ダムと森林」(2017年度)
全学体験ゼミナール「ダムと土砂と海」(2016年度)
測量学実習TA(2011年度)

★社会貢献
水文水資源学会学会誌・若手のページ編集委員(2017年度-)
第5回ナラ枯れ研究会(大阪市立大学理学部附属植物園)(2016年度)
浜名湖をめぐる研究者の会第25回ワークショップ(東京大学大学院農学生命科学研究科附属水産実験場)(2016年度)

★ひとこと
 学部生の頃に初めて本格的な森林科学の授業を受け,漠然とした興味の対象であった森林についてより興味を深くし,もっと知りたいと思ったことを今でも覚えています.森林には水源かん養機能や土砂流出防止機能,生態系サービスなど様々な機能があり,人間の生活にとってプラスであることはよく言われます.私はそれらの機能について,現地観測によって地道に取得した,または過去に蓄積されたデータをもとに客観的に評価し,それを社会に伝えられるようになりたいと思い,日々仕事に取り組んでいます.