The University of Tokyo Chiba Forest(UTCBF),Graduate School of Agricultural and Life Sciences,the University of Tokyo
千葉演習林
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概  要
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概要

千葉演習林について


 千葉演習林はわが国最初の大学演習林として1894年に創設されました。当初は清澄周辺の山林330haで発足しましたが、1897年に清澄より北側の奥山地区山林を加えてほぼ現在の面積(約2,200ha)となりました。現在本演習林は清澄、札郷、郷台の3管内に分けられ管理されています。

 写真左:
 演習林発祥の地記念碑


 千葉演習林は房総半島の南東部にあり、行政上は北部が君津市、南部が鴨川市に属しています。東京から南東方向約100kmに位置し、天津事務所はJR外房線安房天津駅から徒歩5分のところにあります。房総半島南部の気候は一般に海洋の影響を受けて温暖多雨で、千葉演習林内では真冬の月平均気温4℃、真夏の月平均気温25℃、年平均気温14℃、年雨量は約2,200mmとなっています。



 写真左:
 ヒカゲツツジの花(植栽)


 本演習林は、暖かさの指数109〜126℃、寒さの指数0〜−3℃で暖温帯林に属しています。創設当初はカシ類、スダジイ、タブノキ、サカキなどの常緑広葉樹からなる低林とモミ、ツガなどの中林からなっていましたが、その後スギ、ヒノキなどが植栽され、現在人工林は825haとなっています。人工林は幼齢林から超高齢林(桜ヶ尾43林班C16小班は1835年植栽等)に至る齢級構成が整備され、我が国における人工林研究・教育の代表的なフィールドとなっているとともに、演習林内に数多くの試験地、保護林、内外国樹種展示林などが設けられ、森林科学全般の研究に利用されています。
 本演習林の植物相は、極めて豊かで、自生種は木本類が約280種、シダ植物約150種を含む草本類が約800種に達しています。また、植物相に対応して動物相も豊かです。

 写真左:
 モリアオガエルのペア


 本演習林の南部は南房総国定公園に、北部は県立養老渓谷奥清澄自然公園に属しています。また、首都圏自然遊歩道(関東ふれあいの道)が演習林内を通っており、一杯水林道は『アジサイの道』の一部に、郷台林道および三石歩道は『モミ・ツガの道』の一部になっています。演習林全域は鳥獣保護区に指定され、動植物の不法採取および環境破壊などを防止するため、各林道にはゲートを設置して車の通行を制限し、職員が巡回したり、随所に立札をたてるなどして環境保全に努めています。
 本演習林の林道は、本沢林道、一杯水林道、郷台林道、猪ノ川林道などの林道が総延長22.6km(10.4m/ha)、歩道が総延長127kmに達しています。



 写真左:
 黒滝第2ゲート(猪ノ川林道)


地質

 千葉演習林は、清澄山を分水嶺として南側が太平洋に注ぐ二タ間川の流域、北側が東京湾に注ぐ小櫃川の流域に分布しています。地形は急峻で複雑ですが、標高は50〜370mと低く、清澄寺北側の妙見山の383mが演習林付近の最高峰です。
地質は新第三紀海成層を基盤として第四紀非海成層に部分的に覆われており、断層が多く存在しています。基岩は、砂岩、礫岩、泥岩、凝灰岩からなり、風化しやすく、土壌は主として褐色森林土から成っています。

 写真左:
 地層の断面(四郎治林道)


森林

○針葉樹天然林
 針葉樹天然林はかつての中林であったところです。上層木はモミ、ツガ、アカマツでしたが、アカマツの大部分はマツノザイセンチュウによって枯死してしまいました。下層木はカシ類、スダジイ、クロバイ、ヤマモモ、ヤマザクラ、マルバアオダモなどからなっています。この地方固有の針葉樹天然林は、千葉演習林と隣接する元清澄山周辺の国有林以外にまとまった規模で残っていないため、南房総の貴重な針葉樹天然林の一つとなっています。



 写真左:
 針葉樹天然林(荒樫)


○広葉樹天然林
 広葉樹天然林はかつての低林(薪炭林)であったところです。1960年代以降の薪炭需要の減少に伴って伐採も減少しています。構成樹種は、スダジイ、カシ類、コナラ、ケヤキ、カエデ類などです。

 写真左:
 広葉樹天然林(池ノ沢)


○人工林
 人工林の主要な植栽樹種はスギとヒノキで、スギは中腹から沢近くに、ヒノキは斜面の尾根近くに植えられています。尾根付近にはマツが植えられたところもありますが、大部分はマツノザイセンチュウの被害をうけ消失してしまいました。演習林創設以前のスギ老齢人工林が今澄、桜ヶ尾、神田上に残されています。創設以後のスギ高齢優良人工林としては、南沢(1896年植栽)、牛蒡沢(1906年植栽)などがあります。また、郷田倉の美林(1894年植栽)は植栽直後に移管された林分です。



 写真左:
 スギ高齢林(今澄)


○見本林
 本演習林が創設されて間もない1897年に長坂に内国樹種見本林が、また、七曲に外国樹種見本林が設定されました。現在、長坂・三本松・速尾・大見山・相ノ沢(1897〜1931年設定)に内国樹種見本林、七曲(1897)・前沢(1957)に外国樹種見本林、札郷(1926)に内外国樹種見本林、天津に亜熱帯植物園(1926)など各種の見本林が残っています。

 写真左:
 スギ品種見本林(相ノ沢)


教育


 千葉演習林は、試験研究林、施業実験林、学術参考林を多数保有し、森林博物資料館もあります。これらを教材として多様な学生実習教育の場として機能しいます。また東京大学以外の他が医学の自然科学関連の実習利用も行われています。そのほか森林と人とのかかわり方や野生生物管理をテーマとした全学体験ゼミナールなども行っています。

 写真左:
 全学体験ゼミの様子


研究

 現在、千葉演習林のもっとも重要な研究課題は人工林の維持・管理手法を開することにあります。一方では天然林を多様な生物の生息域として、多様性を保持しつつ公益的機能を損なうことの無いように管理をしていく必要があります。

千葉演習林の試験研究計画では次の4項目を重要な研究課題としています。


@持続可能な人工林経営を実践する理論と技術の高度化

 本演習林は設立以来、110年以上にわたり人工林造成を基軸として森林経営を実施してきました。その結果、現在では高齢級の人工林が多く存在しています。高齢人工林を対象として80年・160年の二重輪伐期による長伐期施行の研究、奥地の高齢人工林を針広混交林へ誘導する施行法の研究を行っています。



 写真左:
 桜ヶ尾高齢人工林


A林木の育種と増殖技術の開発

 1980年代からマツ採種園で抵抗性苗の生産や外部機関との共同で新たな選抜育種や増殖技術の開発に着手しています。

 写真右:
 抵抗性マツの接木


B絶滅危惧植物の保全に関する研究

 房総丘陵に隔離分布する最終氷河期後の遺存種とされる山地性針葉樹姫小松は絶滅危惧に瀕しています。現存する自生固体の保全や系統保存といった対策を外部機関と共同で実施しています。



 写真左:
 ヒメコマツの穂取り


C房総丘陵における温暖帯林生態系の保全・管理

 1980年代から増殖しているニホンジカによる食害や天然林の下層植生への採食圧が認められるようになりました。ニホンジカの増加に伴いヤマビルの増加も顕著で教育研究活動に支障が出ています。環境収容力を木曽にした野生生物の管理を実現するための研究が進められています。

 そのほかの主要な研究課題としては
(1)対象流域法による総合的森林水文研究
(2)モウソウチクの開花結実周期に冠する研究
が、挙げられます。

 写真左:
 モウソウチクの試験地(郷台)


社会貢献

 千葉演習林では、一般公開や高校生を対象としたゼミナール、地域交流協定を結んでいる鴨川市・君津市の小中学校による総合学習のフィールドとしても活用されています。






 写真左:
 公開講座
 「野鳥の巣箱をかけよう」

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